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社会人になってからも、私たちはさまざまな局面で「成長」することができます。しかし、そのためには何を意識し、何をすべきなのか? 岩瀬大輔の「伝説の元上司」が、仕事に悩む後輩世代にアドバイスを送ってくれました。

ライフネット生命で定期的に開催されている社内勉強会。そこでは活躍する経営者の方々をお招きし、若い世代の多いライフネット社員に向けた仕事のアドバイスを語ってもらっています。

今回のゲストは、著書『一流の決断力』などで知られる植田兼司さん(いわかぜキャピタル代表取締役)。グローバル金融市場を生き抜き、世界中の一流ビジネスパーソンと渡り合ってきた植田さんが注意を促す、「仕事によくある落とし穴」とは何なのでしょう?

1:人と話をするときはメモを準備しておこう

「良い仕事は、徹底した準備とメモをとる姿勢から」と植田さん。常に小さなメモ帳を持ち歩き、思いついたアイデアや人から聞いた話を書き留めることを長年の習慣にしています。

それはただのアイデア帳ではありません。人と話をする際には、そのメモ帳に事前に話すことを2、3の要点にまとめておく。すると目的がクリアになり、伝え漏れや、ダラダラとした会話で時間を浪費することがなくなります。

「これは単に無駄がないだけでなく、きちんと話をする姿勢を見せることで、お互いに気持ちの良い関係を築くことにも役立つのです」

2:勝負事にもっとも大切なのは、観察眼

植田さんの金融マンとしての成長を支えたのは、状況を冷静に見極める観察眼でした。バブル崩壊前夜の1989年2月、日経平均が3万1,000円台の値をつけていた頃、多くの人は日本経済の隆盛を信じて疑いませんでした。

しかし、植田さんは当時の講演会のレジュメに、こんな句を掲げました。

「雲ひとつ なきぞ悲しき 平成の 相場にありて 落日を知る」

これは、間もなく日本経済が危機的状況に陥ると警告するものだったです。そのため、現実にバブルが崩壊した後も外国人投資家たちからの信頼が篤く、植田さんが所属していた東京海上は唯一トリプルAの格付けを守ったそうです。