14101401_09みんなが知りたいお金の話、知っておくべきお金の話。岩瀬大輔が「お金のプロフェッショナル」の方々に、直接インタビューしてまいります。第2回のテーマは「入社1年目のマネー教育」。関西を中心に活動され、FP知識の普及活動に尽力されているファイナンシャルプランナーの栗本大介さんにお話を伺いました。

■大切なことは駄菓子屋さんで学んでいた!

岩瀬:今日は「入社1年目の社会人が知っておくべきお金の知識」をテーマに対談させていただきたいと思います。栗本さんは地元滋賀県のびわこ学院大学で非常勤講師もされていますが、社会に出る直前の学生たちに、最初に教えることは何ですか?

栗本:まずは制度のことを教えています。20歳になったら国民年金への加入義務がありますけど、今も昔も学生はその辺りの意識が高いとはいえませんね。手続きを親任せにしている学生もいますが、「もう君たちも関わっている話だぞ」ということを話しています。

岩瀬:日本はマネー教育が遅れていると言われています。学生を見て感じることはありますか?

栗本:多くの学生は、いろんな制度や仕組みについて、聞いたことはあったりするんです。
でも、全然意識をしていない、といった感じですね。

岩瀬:今の学生はスマホも持っていますし、知らないことがあればすぐ検索すると思います。僕らが学生だった当時とは価値観もだいぶ変わっていると思うのですが、お金に対する意識にも変化はあります?

栗本:その頃と大きく違うのは、お金が必ずしも目に見えるモノではなくなっていることですね。電車に乗るのにも、コンビニで買い物をするのにも、電子マネーがあれば実物のお金は要りません。ネットショッピングもみんな当たり前にやっていますよね。それこそスマホで簡単に決済できてしまう。実物貨幣で支払っていないから、「何がいくらか?」という値段の感覚がズレている学生が多いような気がします。子どもの頃によく、100円玉を握りしめて駄菓子屋に出掛け、何を買おうかと悩みましたよね。ああいうことって実は、金銭感覚を身に付ける貴重な経験になっているんです。

岩瀬:「生活にいくらかかるか」ということを実感する機会が減っているということなんですね。だからこそマネー教育も大事になってくるとは思いますが、「これだけは覚えてから社会に出てもらいたい」ということってありますか?

栗本:とにかくお金に振り回されないということ。きちんと自分でお金をコントロールできるようになるところが、スタートじゃないでしょうか。