14101601_1みんなが知りたいお金の話、知っておくべきお金の話。岩瀬大輔が「お金のプロフェッショナル」の方々に、直接インタビューしてまいります。「入社1年目のマネー教育」(後編)は、入社後に知っておくべきお金の話を伺いました。 (前編はこちら

■給与天引きは挫折しないことがまず大事

岩瀬:ここからは若い社会人向けのお金の話聞かせていただきたいと思います。栗本さんが若い人向けにセミナーなどをされる際、どんな質問を多く受けますか?

栗本:貯金はいくら貯めたらいいのかと、よく聞かれますね。

岩瀬:どのくらいと答えてます?

栗本:当面の目標としては、給料1年分ですね。例えば最悪の話、自分の勤める会社が倒産したとします。一般的に失業保険の制度などはありますが、その支給期間中に次の仕事が見つかる保証はありません。その気になれば見つかると思いますが、後がないからと焦ってしまい、本意でないところに就職してしまうかもしれない。そう考えると、一年分の生活費を持っておいたほうが、会社選びにおいても余裕のある判断ができると思います。

岩瀬:若手がお金を貯めていくコツはありますか?

栗本:よく言うのは、「自分で決めたやり方がないのなら、まず手取りの1割を天引きしなさい」ということ。口座を作る際はキャッシュカードを作らずに、簡単に引き出せないようにしておくのも効果的です。

岩瀬:でも月給1割だと、1年分貯まるまで10年くらいかかってしまいますね。

栗本:最初から3割くらい貯金できればそれでもいいんですよ。でも大事なのは、挫折せずに続けるということなんです。無理をしていたら、そのうち天引き自体をやめてしまうから、最初は1割。それが無理せずできる人は2割、3割と天引き率を上げていけばいいと思います。もちろん、一人暮らしなのか、実家暮らしなのか、という要素によっても違ってきますが。

岩瀬:栗本さんも最初は1割ずつ貯めていったんですか?

栗本:いえ、実は新卒当時は全然貯金ができなかったんです。初任給は世間並みでしたが、学生結婚した僕には妻子がいたので、生活費だけでトントン。ちょっと買い物したり飲みに行ったりすれば、それがまるまる赤字になっていました。でも苦しい時期を乗り越えられたのも、周りからのサポートと少ないながらもバイトで貯めていたお金があったからですね。金額としては知れていますけど、貯金があってよかったと思います。