14111102_2料理人として東京・中目黒の「青家」「青家のとなり」を経営する青山有紀さん。京おばんざいと韓国薬膳を中心に、カラダに優しい「家庭料理」にこだわり続けています。なぜ、青山さんは豪華さよりも「家庭料理」の素朴さを大切にしているのか? インタビューの後編です。(前編はこちら)

■「家庭料理」が飽きないワケ

――前回、お店を始められた経緯についてお聞きしました。今度はこうしてお店を続けていくうえで、青山さんが大切にしていることもうかがってみたいのですが。

青山:そうですね。「青家」も「青家のとなり」も、“家庭料理”ということを大切にしていきたいとは思っています。もともと料理の専門学校に通っていたわけではないので、凝った料理が作れなかったというのもあるんですけど、うちでは日常的に食べたくなるような料理を提供していきたいんです。

高級な会席料理とかイタリアンとか、魅力的でもちろん私も好きなんですけど、毎日食べられるものではないですよね。 提供する側が気合いを入れて作るので、食べる人も緊張しながら食べる。だから記念日とかには向いているんですよ。でも京おばんざいは家庭で食べられてきたものだから、うちの店ではお客さんを緊張させてはいけないと思っています。

――取材で伺っているのは「青家のとなり」ですが、一軒家をリノベーションしたつくりで、家庭的な雰囲気がすごく魅力的です。

14111102_1青山:家庭料理が毎日食べても飽きないのは、作る人がゆるく作っていて、食べる人にもゆるくカラダに入っていくから疲れないんです。だから食べる環境もそれに合わせて、リラックスできるようにしています。

そうそう、「青家」だって、そもそもは自分たちでリノベーションしたんですよ。

――それは青山さんたちが自分たちの手で作り上げたということ?

青山:そうです。何ヶ月もこもって手作業でリノベーションしていきました。「青家のとなり」もかなりの部分を自分たちで手がけています。あえて未完成な感じを残しているんです。かっこいい内装のカフェとかも素敵だと思うけど、「さあ完璧な空間に入ってください」という印象を受けると身構えてしまうじゃないですか。でも“ゆるさ”を残しておけば、赤ちゃんからおばあさんまで、誰が来ても自分の時間を過ごしてもらえるんです。

■うちは赤ちゃん同伴も大歓迎

――ライフネット生命で子育て中の社員にアンケートをしたことがあるんです。「赤ちゃんができたことで、何が大変ですか?」と聞いたら、そろって「赤ちゃんを連れて入れる店が減っている」と。子供ができると外食をあきらめてしまうそうなんですよね。

青山:私も友だちからそういう話をよく聞きます。本当に赤ちゃん禁止のお店が増えていて、「なんで?」って思うんですよ。むしろ、うちは赤ちゃん大歓迎です。「青家のとなり」では1階を座敷にしていて、赤ちゃんを寝かせながら食事ができるようになっています。ぜひ、宣伝してください(笑)。

――「赤ちゃん同伴可」のお店は、どんどん貴重になっているみたいですからね。しかも「青家」さんは、薬膳というカラダに良いものを提供しているから、お子さんにも安心して食べさせられる。

青山:それを狙っていたわけじゃないんですけどね(笑)。特にお菓子が中心の「青家のとなり」は、自分の経験がもとになっているところがあります。

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――というと?

青山:「青家」をリノベーションしているときに、早朝はパン屋でアルバイトしていたんです。

――えっ? それはお知り合いのお店とかですか?

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