14122403_1こんにちは。お申し込みサポート部の吉見です。

もうすぐクリスマスですね。
みなさまは、サンタクロースがいるって何歳まで信じていらっしゃいましたか?
私の場合、今まで信じていた何かが崩れた「その瞬間」をありありと覚えています。

時に、幼稚園の年中、5歳の冬。幼稚園のホールに集まってクリスマス会をする、みたいなイベントがありました。画用紙で作ったもみの木っぽい飾りにひとりひとり星を貼りつけていき、みんなで聖歌を歌って、盛り上がってきたところで、いよいよ真打登場。という演出だったように思います(うろ覚え)。先生の掛け声に合わせて、大きな声で呼びました。「サンタさーーーん!」。すると、舞台の下手からサンタさんが。真紅のベルベット。白髪白髯。はち切れんばかりに何かが詰まった袋。まさに、思っていた通りのサンタさん!うれしい!胸が高鳴りました。

ん?でも、どこかで見覚えあるぞ。あの顔。あの人は・・・園バスの運転手さんじゃないか!(原文は幼児語かつ関西弁。以下、同じ。)

もちろん、「運転手さんでもいいじゃないか。コスプレなんだし。何か問題でも?」と思うこともできます。つまり、「このクリスマス会の」サンタクロース役は運転手さん。でも、それとは別に「本当の」サンタクロースがどこかに居て、クリスマスイブには僕の家まで来てくれる、という解釈も成り立つはずです。というか、こちらの方が素直ですね。でもその瞬間、なぜか、世の中に「本当の」サンタさんなどはいなくて、どのサンタさんもサンタさん以外の誰か(つまりはニセモノ)が仮装しているに過ぎない、という虚構性を、普遍の真理として頓悟したのでした。

今では、街中いたるところでサンタクロースの仮装をした人を目にしますが、今から三十数年前、かつ、とても田舎に住んでいたので、ド田舎者の幼児の頭には、サンタクロースの衣装を着た人=本物のサンタさん、という強固な図式ができあがっていたのかもしれません。なので、たったひとつの反例を以って、ファンタジーのすべてを壊してしまったのでした。それも自ら。

ただ、そう悟った瞬間の興の醒め方、潮が引く如く、何かがさーっと引いていく感じは今でも覚えています。このあまりに唐突で理不尽な仕打ちは何なのか、と(ただ、この理不尽さは自分が勝手に招来したものであって、先生や運転手さんが悪いわけでは全くないです)。理不尽などという概念はもちろん知る由もなく、それゆえどう昇華していいかわからずに、悶々となりました。そして、とにかく、ひとまず、となりのアキちゃんを巻き込むしかないと思うに至ったようです(かなり混乱)。「あのサンタさん。バスの運転手さんだよね?」。アキちゃんは冷静な顔で即座に否定しました。「サンタさんだよ。」・・・投了。合掌。

思い出すたび、胸がキュンとなる、切なくも悲しい思い出です。

翻って、私の長男。今年で8歳、小学校2年生です。彼は、未だもってサンタクロースを信じているようです。ただ、その「実在」を信じているのか、あるいは、その「機能」を信じている(利用している)のかは、微妙な気がします。

というのも、彼はクリスマスプレゼントをリストアップする際、必ず3つの枠で要求してきます(誰が許可したわけでもないのに勝手に)。

1.お父さん&お母さん枠
2.おじいちゃん&おばあちゃん枠
3.サンタさん枠

の3つ。そして、各枠にどのようなものをエントリーするかについては、年々したたかになってきました。値段とか入手経路とかを考慮して、たとえば、ネット通販でしか買えないようなものは、ネットが使える「1.お父さん&お母さん枠」に入れてくる、といった感じで。もちろん、3枠の要求に応えるかは別論です(ごまかしてひとつに統合します)。

このあたりのちゃっかりした感じを見るにつけ、ひょっとしたら、サンタクロースが「実在」しないことは知りつつも、その「機能」を利用するために、あえて信じているふりをしているのではないか・・・といった穿った見方もできます。でも、まだまだサンタクロースがいるって信じていて欲しいな、という親のエゴもあり、真相は「言わぬが花」かな、とも思ったりします。「実在」を信じていて欲しいという親の思いと、「機能」を利用したい子どもの思いとが微妙なwin-win関係で均衡しているのかもしれません。でも、これも今しか味わえない玄妙な関係だと思えば、これまたよし、ということで。

ちなみに、長男がサンタクロースの「実在」を確実に信じていたであろう5歳の頃のやりとりが動画に残っていました。以下、その要旨です。

【私】サンタさんってどこに住んでるの?
【長男】しっ!お母さんに聞かれるからこっち来て。(といって別室に連行される)
【長男】おばあちゃん、あっち行って!(別室にいたおばあちゃんを追い払う)

【長男】目黒とか、町屋に住んでるよ。(当時の長男はなぜか目黒と荒川区町屋に異常な関心を示していた)
【私】町屋のどこ?
【長男】会社の建物。

【私】サンタさんって何に乗ってくるの?
【長男】ばしゃ。
【私】サンタさんはどうやってプレゼント持ってくるの?
【長男】寝てるときに持ってくる。お父さんが寝た後。
【私】どうやって家に入ってくるの?
【長男】普通に。鍵あけて。ピンポンは鳴らさない。

【私】サンタさんに欲しいものを伝えるにはどうすればいいの?
【長男】これが欲しいってお父さんにお話しすればいい。
【私】お父さんがサンタさんに電話して伝えるから?
【長男】サンタさんが聞いてるの。
【私】耳がいいんだね。
【長男】マイクがあるの。

【私】サンタさんはクリスマスじゃない時は何してるの?
【長男】会社でお仕事してる。
【私】どんなお仕事?
【長男】アングリーバードとか、ジェンガとか。

【私】サンタさんは・・・
【長男】もう終わり。やめて。サンタさんに怒られるから。

長男の話を綜合するに、蓋し、サンタクロースとはこのような人物のようです。
目黒もしくは荒川区町屋在住の会社員。社員寮暮らし。クリスマスシーズンは、馬車で移動しつつ、民家にマイクをしかけては盗聴し、深夜、合鍵をもって不法侵入を繰り返す。オフシーズンは基本的にゲーム三昧(でもこれが仕事)。その姿を見た者はなく、組織の掟(女人禁制と口止め)を破った者に対しては、子どもといえども、容赦なく制裁を加える。

ちょっと怖い感じがします。やっていることは、プレゼントを配って子どもたちを喜ばせる慈善活動なので、善人だとは思うのですが。

※2014年12月22日更新「ライフネット生命保険 社員ブログ」より