今村暁さん(日本そうじ協会理事長)

今村暁さん(日本そうじ協会理事長)

掃除を習慣づけることによって、数々の赤字経営だった企業を立ち直らせてきた、日本そうじ協会理事長の今村暁さん。(掃除がもたらした奇跡の効果はこちら)
掃除ができない人から脱却するための、考え方の習慣、行動の習慣を教えてくれました。どれも今日から実践できそうな、簡単なものばかりです。

■ただゴミを捨てるだけじゃない。「掃除」するとはどういうことか

ところで「掃除」という言葉の意味を説明できますか?何をもって「掃除」と言うのか、その定義を教えてくれました。

「掃除とは、『場を整えて、良い場づくりをすること』です。言いかえると、良い流れを作って、個人と組織の能力を最大限発揮できる環境を作ること。ただ綺麗にするだけではなくて、良い人、良いコミュニケーションなど、全てが含まれています。そして、掃除をする際に大切になってくるポイントは、我々プロから見ても200個ほどしかありません。それらを系統別に分類すると、大きく4つになります。

①整理
いるものといらないものを分別し、いらないものは捨てることです。

②整頓
使うものを必要な量だけ、使いやすい状態に配置すること。皆さんはよく、あまり使わないものを押し入れにしまって、『整頓しました』と言うけれど、これはただの隠蔽工作です。使わないものは捨てて『整理』し、使うものだけをあるべき場所に『整頓』することが大切です。

③清掃
ホコリを取り、良い空気環境をつくることです。皆さんが『掃除』と聞いて、一番にイメージするものだと思います。

④清潔
汚れを落としピカピカに磨き上げることです。

このように、一口に掃除と言っても、4つの意味が含まれており、その場その場で必要なことは違います。まずは、自分が4つのうち何が苦手かを見極めて、克服できるように取り組んでいくのがいいですね」

■あなたは掃除できる人? できない人? 簡単チェック

掃除に対して苦手意識がある人は、なぜ自分が掃除できないのか、その理由を考えてみましょう。知ることが次の一歩に繋がります。以下に9つの「掃除ができない理由」を挙げてみました。あなたはいくつ当てはまるでしょうか。

 □疲れている
 □先延ばし癖がある
 □つい、他人任せにしてしまう
 □時間がない
 □心に余裕がない
 □めんどくさい
 □いつも中途半端
 □気分にムラがある
 □「これでいいや、まあいいや」と思ってしまう

どうでしたか?当てはまった回答の数に10をかけてみてください。出た数字が、実はあなたの人生の「お先真っ暗度(%)」を表しているんです(笑)。「先延ばし癖がある」「他人任せにしてしまう」といった言い訳は、掃除に限らず、さまざまな場面であなたがしてしまう考え方の習慣です。仕事や家庭、友人関係などの日常生活で、いつもそんな考えをしている人に、明るい未来が待っているとは想像しがたいですよね。

「疲れている」ではなく「元気!快活!」、「先延ばし」ではなく「すぐやる!」、「これでいいや」ではなく「これがいい!」。考え方を前向きに切り替えることができたら、掃除はもちろん、今悩んでいたり、うまくいっていなかったりすることも、良い方向に向かっていきそうです。まずはひとつで良いので、いつもの考え方の習慣を見直してみましょう。

(次ページ)掃除を続ける簡単なコツとは