無印の子供服の中でも大人気のプリントTシャツと、編集部もびっくりするほどよく伸びるデニム風パンツ・スカート

無印の子供服の中でも大人気のプリントTシャツと、編集部もびっくりするほどよく伸びるデニム風パンツ・スカート

織田:アンケートを取るともっとも多い答えが、家庭で洗濯できること。いまアウターでも家で洗えるものが多くなっているのはそのためです。ニットやウールでも、洗える素材が本当に増えてきました。2番目に多い答えは、動きやすいように伸縮性があることです。子どもはよく動くので、動きに自由度があるもの、伸縮性があるものが求められます。そういう意味で、カットソーは特に親御さんに喜ばれる商品ですね。3番目は、子どもが自分で脱げる仕様であること。お子さんが自分で楽しく脱ぎ着できるように、例えばパジャマであれば、ボタンとボタンホールの色を合わせて、1番上はグレー、2番目はネイビーといった具合に色を変えています。

──それならお子さんが目で見て、自分で着脱しやすいですね。

織田:この秋冬には、左右の靴を合わせると内側に描かれたひよこが向き合うような形になる靴も販売します。子供の靴は大人靴よりも左右が区別しにくいですからね。これだとお出掛け時にイライラしないで済みます(笑)【写真B】。

【写真B】(撮影:ライフネットジャーナル オンライン編集部)

【写真B】(撮影:ライフネットジャーナル オンライン編集部)

■授業参観では全学年の教室に足を運ぶ

──「IDEA PARK」やアンケートのほか、織田さんは商品企画の参考になりそうな情報をどのように得ていますか?

織田:会社として、半期に1回、ニューヨークとロンドン、パリに市場調査に出かけています。競合他社が来季にどういった製品を仕掛けていくるのかをチェックするのが主な狙いですね。それ以外では、授業参観は欠かさず足を運んでいます。いま、うちの子供達は小学校4年生と1年生なんですが、ほぼ全学年のクラスをのぞいていますね。高学年になると、キャラクターものやアディダスやプーマなどスポーツブランドの服を来ているお子さんが多いんですよ。着丈はどうか、スカートやパンツの比率なども確認します。生の情報ですから、非常に参考になりますね。

──無印良品では毎年、夏に向けてプリントTシャツを販売しています。今年のテーマについて聞かせてください。

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織田:2015年は、弊社が全国3箇所に展開している無印良品キャンプ場とコラボし、キャンプ場に生息しているであろう虫や動物をテーマにしたTシャツを作りました。大人用はネット限定です。パンダのTシャツはほしいと言われても作りません。キャンプ場にいませんから(笑)。海外に新店を出すときには、このプリントTシャツの引き合いが多く、その国独自の動物を作って欲しいという依頼が寄せられますね。中国ではパンダのTシャツを作りましたし、ニューヨークに店舗を開いた際には、近隣で犬を連れて散歩しているお客様が多いので犬を、韓国では虎をモチーフにしたTシャツを制作しました。

──売れ行きは非常に好調だとお聞きします。

織田:おかげさまで毎年、反響が非常に高く、生産数量は1型20万枚におよびます。まとめ買いされる方やペアで購入される方が多く、このプリントTシャツが発売されると売上ランキングががらっと入れ替わるんですよ。

──親子で揃えて、SNSでアップされる方も多いようですね。

織田:昔はいまほど親子で服をコーディネートして楽しむということは少なかったと思いますが、いまはインスタグラムなどで「親子ペアです」とうれしそうにアピールする方が本当に多い。SNSの影響はひしひしと感じていますが、これからも子供の視点を踏まえて、無印良品ならではの子供服を企画していきたいですね。

<プロフィール>
織田威司(おだ・たけし)株式会社良品計画 衣服・雑貨部 子供担当 課長代行。2007年9月良品計画入社。2007~2011年、紳士担当MD(シャツ、アウター、ボトムス)、2011~2013年、服飾雑貨担当MD(帽子、マフラー、手袋、ハンカチ)、2013年より子供担当MD(子供ウェア)。
無印良品ネットストア

<クレジット>
取材/ライフネットジャーナル オンライン編集部
文/三田村蕗子
撮影/鈴木慎平