基本的に長期の契約が前提の生命保険だからこそ、保険検討のひとつの要素として会社の経営状況をチェックされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、万が一、生命保険会社が破綻した場合、「保険契約は継続されるか」、「保険金や給付金は削減されないか」の2点についてご説明いたします。

※この記事は、2021年10月に内容を更新して再掲しています。

1.保険契約の継続について

生命保険会社が破綻した場合、「生命保険契約者保護機構」により保険契約者保護の措置が図られ、保障は継続されます。新たな救済保険会社や継承保険会社の元で業務が再開されるまでは、契約の変更手続き等は行えませんが、保険加入者が保険料の支払いを続ければ、一定の条件のもと、保険金などは支払われることになっています。

<保険会社破綻後の措置は以下の2通りがあります>

救済保険会社が現れた場合 破綻保険会社の保険契約は、「救済保険会社」に保険契約が移転されることにより、破綻後も継続されます。
救済保険会社が現れなかった場合 破綻保険会社の保険契約は、「生命保険契約者保護機構」が設立する子会社の「承継保険会社」、または同機構みずからが引き受けることにより、破綻後も継続されます。

いずれの場合でも、破綻時点の責任準備金の90%までは原則補償され、残りの10%については、更生計画などにより決定されます。ただし、高予定利率契約※を除きます。

なお、責任準備金とは、生命保険会社が将来の保険金・年金・給付金等の支払いに備え、収入保険料の一部から積立てている準備金のことで、保険金や年金額の90%が補償されるものではありませんのでご注意下さい。

※2021年10月現在、ライフネット生命保険の保険商品に高予定利率契約はありませんので、高予定利率契約についての説明は省略します。

2.保険金や給付金は削減されないか

破綻後、保険金や給付金の額が削減される場合があります。保険金や給付金の額の減少幅は、破綻会社の財務状況や保険種類などにより異なります。

<破綻後、保険種類による減少幅について>

保障を目的とした保険商品 定期保険等の保障性の高い保険(掛け捨て型の保険)の場合、もともと責任準備金の額が少ないため、影響が比較的軽微で、一般に保険金額の減少幅も小さくなる(または減少しない)傾向にあります。
貯蓄を目的とした保険商品 終身保険、養老保険、個人年金保険等、貯蓄性の高い保険の場合、将来の保険金等の支払に備えた責任準備金の積立額が比較的大きいため、責任準備金等の削減や、責任準備金の積立利率に 相当する予定利率の引下げの影響が大きく、一般に保険金額の減少幅も大きくなる傾向にあります。

出典:生命保険契約者保護機構
※ライフネット生命では、保障を目的とした保険商品のみを販売しており、貯蓄を目的とした商品はありません。なお、破綻後の注意点等は生命保険契約者保護機構のホームページをご覧ください。

<ご参考>生命保険会社の経営の健全性について
生命保険会社の経営の健全性を示す指標のひとつに「ソルベンシー・マージン比率」(Solvency Margin)というものがあります。ソルベンシー・マージン比率は、大震災など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる支払余力(ソルベンシー・マージン)を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つです。200%以上あれば、行政監督上、健全性に係る一つの基準を満たしているとされています。
ライフネット生命保険のソルベンシー・マージン比率は2,647%(2021年3月末時点)であり、十分な支払余力を有しています。

 

<クレジット>
文/ライフネットジャーナル オンライン編集部