「長屋」と聞くと、何を思い浮かべますか? 落語に出てくる人情味ある暮らしとか、古い町並みの残る下町の風景などをイメージされるかも知れませんが、実は最近、長屋の人気が高まっているようです。

※この記事は、おうちと暮らしの情報マガジン「オウチーノ de ヨムーノ」から提供を受けています。

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■似て非なる長屋とマンション、法規上別のもの

「長屋」とマンションのような「共同住宅」は、どちらも複数の住戸が集合して全体で一棟の建物になっているもので、一見似ているようですが、実は法規上は別のものです。マンションなどの共同住宅は2つ以上の住戸が階段、廊下、ホール、エレベーター等を共有しており、建築基準法上は「特殊建築物」に含まれ、窓先空地などの敷地内避難通路や避難器具の設置、主要出入口の位置などの設備関係など、数多くの規制を受けています。

一方、「長屋」は各住戸には界壁以外共有する部分はなく、それぞれ外部から直接出入りできます。またその玄関は直接道路に面する位置か道路まで続く敷地内通路に面することが規定されています。特殊建築物ではないため、マンションのような用地や設備などの規制は受けません。

最近は「長屋」という言葉の代わりに「テラスハウス」「タウンハウス」と言われることが多いですが、いずれも建築基準法上は「長屋」になります。

■長屋住まいのメリット・デメリット

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「長屋」という言葉で一般にイメージするのは、下町の狭い路地に面して建てられた木造の横長の建物ではないでしょうか。現代の長屋には、古さと新しさが融合したデザインや既存の土間を活用した趣味のスペースをはじめ、古い梁をあえて出して活かす傾斜天井のリビングなど、通常のマンションやアパートにはないさまざまな魅力がたくさんあります。

長屋のメリットとしては、一戸建て感覚はそのままに暮らせること。上下階の音はそれほど気にしなくて良いほか、一戸建てを借りるよりは比較的安く借りられることがあげられます。

一方、デメリットは横方向の騒音が気になること。やはり集合住宅に住むならではのマナーは守らなければなりませんが、逆に近所づきあいが楽しいのも長屋の魅力のひとつになっています。近所付き合いといっても、マンションのように大人数が住んでいるわけではないので堅苦しさはなく、一戸建てほど孤立しているわけでもないので、緩やかに繋がっているという感じの楽しい近所付き合いが出来るようです。

■現代風・長屋の魅力を楽しもう

最近では、リノベーションした長屋や、デザイナーズ長屋とよばれるオシャレな物件など、現代人の暮らしに合わせた住みやすいスタイルの長屋が出てきています。もちろん昔ながらの佇まいの物件もあり、長屋の魅力が多様化しています。オシャレに住むも良し、レトロに暮らすも良し。長屋暮らしを味わってみてはいかがでしょうか。

<クレジット>
記事提供元:長屋に住もう!(おうちと暮らしの情報マガジン「オウチーノ de ヨムーノ」)