政府は女性管理職を2020年までに30%以上にするという目標を掲げています。そう容易に実現できる数値ではないと思いますが、今よりも管理職につく女性の数が増えていくことが予想されます。男性が多い職場で女性がうまく力を発揮するために、効果的なコミュニケーションはあるのでしょうか。
作家で心理カウンセラーの五百田達成さんが、職場を家庭や舞台に例えながら、女性管理職をとりまくコミュニケーションのポイントを伝授してくれました。また、男女を問わず誰にでも当てはまる、「職場のコミュニケーションにおいて大事なこと」についてもお聞きしました。
「年上部下とのうまい付き合い方とは?」前編はこちら

■女性管理職がうまくいくのは「お母さん」キャラ

──女性管理職が仕事をやりやすくなるような、コミュニケーションのコツはあるでしょうか。

五百田:今の日本では、そもそも管理職につきたがらない女性が多いと思います。理由は2つあって、1つは「女性同士の和を乱したくない」から。女性は男性と比べて横のつながり、和を大切にする傾向にあるので、ひとりだけマネージャーになって「あら、○○さんいいご身分ね」と思われたくない。誰とランチすればいいかわからない、同期会に誘われなくなったらどうしよう、というのが彼女たちの不安要素なんです。
もう1つの理由が、「男性から疎まれたくない」。「女のくせに出しゃばって」と思われたくないし、女性として扱ってもらえなくなるのもいやだと思います。

だから、女性を管理職に取り立てようとするときに言ってはいけないのが、「期待しているから、ぐいぐい引っ張っていってね」という言葉。「私にはそんな素養はないので」と断られてしまいがちです。「あなたのように周りに目を行き届けられる人がいるとみんなが働きやすいから、ぜひこれからもみんなを支えてやってほしい」という言い方をすると、受けてもらいやすいと言われています。

リーダーになって引っ張るというと目立つし煙たがられるけど、まるで一家のお母さんのように「支える型」のリーダーシップなら発揮できるかな、と思ってもらうことがコツです。

──お母さん像が理想といった感じですね。

五百田:やんちゃな子ども=部下がいて、ある程度までは「いいわよ、好きにしなさい」と遊ばせておいて、「でもあんまり言うこと聞かないとお小遣いあげないからね」といった感じでマネジメントするといいかもしれませんね。コンサバティブな日本の男性としても、オラオラ系上司よりも、お母さん的な上司の方がついていきやすいでしょうね。

──言葉づかいも重要になってきますね。

五百田:そうですね。ひとつ余談ですが、日本語にはまだ女性が男性に仕事をぷいっと振る時の言葉がない、と劇作家の平田オリザさんが言っています。例えば「これ3部コピー取っておけ」って言ったら男の真似っぽくなるし、「取っておいてもらえます?」だとへりくだり過ぎかな、となる。まだまだ適切な日本語が開発されていないという中では、女性の言葉も前編で話したような、プレーンでフラットなものに頼るしかないのでしょうね。

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