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睡眠はいつの時代も私たちにとって大切なテーマです。いつもと睡眠時間が違っただけでも調子が出ない、という方も多いのではないでしょうか。入眠のしやすさなども個人差がありますし、なかなか睡眠のパターンを変えるのは難しいものです。

しかし、ビジネスのIT化やソーシャルメディアの発達によって、深夜までメール等のチェックに追われることが増えていて、ビジネスパーソンはより効率的な睡眠術が求められています。

そこで今回は、睡眠の必要性と、睡眠の質を高める4つの方法をお伝えします。

■睡眠の担う役割は?

人や動物にはなぜ睡眠が必要なのでしょう? 意外なことに、これは医学的にはっきりとは解明されていません。ただ、みなさんも日々の生活で実感されているように、身体の休息を促すこと、脳の疲れをとることは睡眠の重要な役割であり、睡眠なしには人間は生きていけません。

睡眠の時間や質は、日中の仕事のパフォーマンスや健康、寿命にも深く関連すると考えられています。多忙による睡眠不足の状態が長く続くと、うつ病などの精神科疾患の発症が増加するとも言われています。

また、日本人の不眠率は世界的に見ても高いと言われており、一説によると5人に1人が不眠に悩まされていると言われています*。

*[参考]厚生労働省e-ヘルスネット

■睡眠不足の日はよく眠れた日の半分の仕事しかできない?

寝不足であることの目安として、日中の眠気があることがあげられます。実際、睡眠時間が足りていないときの仕事の処理速度は、やり慣れた内容でもかなり下がることが知られており、ある製薬会社の調査によると、よく眠れた日の仕事の能率を100%とすると、あまり眠れなかった日の能率は、普段やっている仕事で55%まで下がるという結果が出たこともあるようです。

まして、新しいことを行う場合や、クリエイティブな分野であれば、さらに能率が下がることは避けられないのではないでしょうか。日中眠気が出て、あくびを噛み殺しながら仕事をしている、というような方は、仕事の効率を考える上でもやはり、もう少し眠るようにしたほうがよさそうです。

■8時間以上寝なければいけない、は思い込み!?

日中眠さやだるさはあまりないけれど、何となく睡眠が足りていない気がするという方も多いと思います。理想の睡眠時間は8時間以上と考える方が結構いらっしゃるようですが、実は多くの方は身体的にはそれほど長い睡眠時間を必要とはしていません。個人差がありますが、30代以降では8時間連続して眠れる方はむしろ珍しいと言えます。

この連続睡眠時間の長さは年齢とともにどんどん短くなり、60代になると6時間続けて眠れたらいい方、という状態に。それでも、睡眠の質が保たれていれば、身体に変調をきたすことはありません。

ただ、自分には何時間睡眠が必要、という思い込みからくる心理的なもので「今日は何となく調子が出ない」というふうに感じることはあるかもしれません。

それでは、よりよい睡眠を得るには、一体どうすればよいのでしょうか?

■睡眠の質を高める4つの方法!

1.リラックスする
副交感神経の働きを高め、できるだけリラックスすると、深い睡眠に入りやすくなります。 人間の自律神経には戦闘モードに入る交感神経と、休息モードの副交感神経があり、 寝る前には、この副交感神経が優位な状態を意図的に作り出し、「何だか目がさえて眠れない」という状態を避けるようにします。

具体的な方法としては、ぬるめのお風呂にゆっくり入る、静かな音楽を聞く、温かい牛乳を飲む、といったことが挙げられます。

2.興奮するような刺激を避ける
あらゆる刺激を避けるようにすることも重要です。スマートフォンやパソコンなどの電子画面の視覚刺激は強い覚醒効果がありますし、テキストメッセージやSNSなどのやり取りも緊張・興奮を招きますから、できれば寝室には持ち込まないようにしましょう。

また、夕方以降コーヒーや濃い緑茶などカフェインの入った飲み物を避けるようにすることも大切です。

3.寝る前の飲酒を控える
お酒を飲むと、確かに眠気は起こりますが、実は酔っ払っての睡眠は眠りが浅く、疲労回復効果や満足感は乏しいものです。量が増えると肝機能の悪化など別の身体的な問題も起きてきますので、睡眠の質を高めるためには寝酒はしないようにしましょう。

4.生活リズムを整え、日中できるだけ日光を浴びる
起床時間、睡眠時間を一定にすること、また日中少しでも日光を浴びることで、身体に生活のリズムを覚えさせることができます。光を浴びることは冬季うつ病の治療法にもなるくらい気分の改善効果が期待できますし、出張などでの時差ぼけの解消にも役立つことが知られています。

上記のようなことを心がけて、睡眠とうまく付き合う方法を見つけたら、仕事の上でも大きな武器になると思います。限られた時間の睡眠の質をできるだけ高めて、快適にお過ごしください。

<クレジット>
文責/Doctors Me