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生命保険に加入するとき、保険というもの自体がよくわからないのに「定期」か「終身」か、ときかれて困った経験はありませんか? 今回取り上げるのは「生命保険って終身型の方がお得?」というご質問です。

今回もHDI問合せ窓口格付け(生命保険業界)」において、4年連続で最高評価「3つ星」を獲得した弊社コンタクトセンターの経験豊かな保険プランナーが回答いたします。

■Q:保険は終身型の方がお得?

26歳、独身の女性です。1年後に結婚を控え、お金を貯めなくては! と思って、保険を見直すことにしました。就職してすぐ、知り合いが勧めてくれた終身型の生命保険に入っています。そのときはあまりよくわからずに契約していましたが、いざ見直しをしようと思って資料などを見ていると、私の年齢で定期型の保険なら保険料がいま加入している保険より安くて驚きました。若いうちなら終身型の保険のほうがお得、と聞いたと思うのですが、本当にそうなのでしょうか?

■A:「お得」な保険はなく、どちらかを選んでいただくことになります

ご質問いただきありがとうございます。結婚という人生の転機をきっかけに保険を見直されるのは、良いですね。いただいたご質問は、ライフネット生命によく寄せられるもののひとつです。お客さまはこれからもライフステージの変わり目を何度か迎えられると思いますので、そのとき保険の見直しをされる場合に備えて、お伝えしたいことがあります。

それは、「トレードオフ」という概念です。答えの前に、少し長くなりますがおつきあいください。

●トレードオフのお話
トレードオフとは、簡単に言えば「あちら立てれば、こちらが立たぬ」ということで、一方を追求すると他方が犠牲になるような両立しえない経済的関係のことです。
そして生命保険でも、基本的には「保障範囲が広ければ広いほど、保険料は高い」というトレードオフが成り立ちます。自動車保険を選ぶのと同じで、保障を広げれば、その分、保険会社にとっては支払確率が高くなるので、それに見合った保険料をお客さまからいただかなければなりません。

ですから、「安い保険料で、手厚い保障」というのは、原則、あり得ないことなのです。消費者にとっての選択肢は、基本的に、安い保険料で薄い保障か、高い保険料で手厚い保障か、のどちらかとなります。

●定期保険と終身保険
ここで、本題の「終身保険の方がお得?」に入っていきます。トレードオフの概念は、つまり、「おいしい話というのは、生命保険にはありません」ということですから、基本的には、“お得な保険”というものは存在しません。必ず、どのような保険の種類にもメリット・デメリットはあり、保険を選ぶ際にはその2つを比べて、総合的に判断したうえで結論を下すことが大切なのです。では、定期保険と終身保険を比べてみましょう。

定期保険は「当面の保険料は安く抑えて、必要な期間だけ合理的に保障を買うことができる」というメリットがあります。つまり保障範囲を一定期間に絞ることで支払い確率は低くなるわけなので安い保険料で済むのです。一方、将来に向けた積立(cash value)がなされないため、「満期時や途中で解約した時にお金が戻ってくることは無い、または戻ってきても微々たる金額であるということと、更新時には年齢が高くなることに伴い保険料が高くなる」というデメリットがあります。

終身保険は、「保険料が加入時のまま上がることなく、一生涯の保障を確保することができる」、「途中で解約すると、それまで積み立てられていたお金が戻ってくるため、貯蓄の機能がある」というメリットがあります。一方、若いうちから将来の分の保険料も払い込まなければならないため、「当面の保険料は定期保険に比べて高い」、「早期にお金が必要になって途中で解約すると、戻ってくるお金が少ない若しくは戻ってこない」というデメリットがあります。

●損得勘定で考えない
このようなメリット・デメリットを踏まえたうえで、家計が苦しくて高い保険料を払えない人は定期型の保険を選んだり、貯蓄性にこだわる人は終身型にしたり、という選択をすれば良いわけですね。私たち一人ひとりが生命保険という金融商品についても「トレードオフ」の概念をしっかりと持って、自分にとって必要な生命保険はどういうものかを冷静に検討する必要があります。

シンプルに「これが良い」と言い切れない問題ですが、最終的には「わからない」「なんとなく」ではなく、ご自分の家計や考え方にそって「一番納得できる」ものが、お客さまにとって良い保険と言えるでしょう。

私の場合は、どちらがよいのか?と疑問に思われた方。
ぜひ、ライフネット生命の保険相談サービスをご利用してみてはいかがでしょうか。
お客さまにご納得いただけるため、保険プランナーが無料でご相談に乗ります。
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<クレジット>
文/ライフネットジャーナル オンライン編集部(「サーチナ」(ライフネット生命【保険Q&A】) 2010年9月掲載記事を元に再構成)