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パートやアルバイトをしている主婦は家庭にとっても社会にとっても重要な役割を担っています。これまでは、夫の仕事で「配偶者控除」を受けられる範囲としての「103万円の壁」や、社会保険料の支払いが発生しない「130万円の壁」といわれるところで年収をセーブしていた方も、2016年10月に施行される「短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大」を機に、働き方を見直すことが多いのではないでしょうか。

ライフネット生命では、子育て中の主婦でパートをしている方を対象に、その働き方や意識について調査を実施しました。

【調査概要】

 [調査期間]2015年9月19日〜9月28日
 [調査対象]ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする、
 夫と中学生以下の子どもがいて、パート・アルバイトをしている全国の20〜59歳の主婦

 [調査方法]モバイルリサーチ
 [有効回答]1,000サンプル

調査の結果は……

  • パート主婦の7割半が、「年収を制限しながら働いている」
  • 9割のパート主婦が、「手取り年収を増やしたい」
  • パート主婦の半数以上が、2016年10月以降「手取りが増えるように働きたい」
  • もし自分が長期間働けなくなったら、不安なこと1位は「日々の生活費」7割、2位は「治療費」5割半

■パート主婦が直面する、社会保険や配偶者控除に関する年収の壁

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夫と中学生以下の子どもがいて、パート・アルバイトをしている20〜59歳の主婦(以下、パート主婦)1,000名に、年収が103万円の壁や130万円の壁などを超えないように、働くことを制限しているか聞いたところ、年収が「103万円以下になるように制限している」が56.5%、「130万円未満になるように制限している」が19.8%、「141万円未満になるように制限している」が1.1%となりました。「制限はしていない」は22.6%で、裏を返すと、7割半(77.4%)のパート主婦が、自身の収入を制限していることがわかりました。

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■2016年10月に施行される「被用者保険の適用拡大」で、働き方をどう変える?

2016年10月に、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大があり、パート・アルバイトを含む短時間労働者の社会保険の適用基準が拡大されます。社会保険を適用されるにはいくつかの要件がありますが、そのうち、年収に関する要件である“130万円の壁”(年収130万円以上が適用対象)が、“106万円の壁”(年収106万円以上が適用対象)へと引き下げられます。これは、社会保険の適用対象を広げ、年収130万円を超えて働く人の“働き損”を解消することを目的としたものです。

以上の説明をしたうえで、パート主婦1,000名に、2016年10月にパート・アルバイトの社会保険の適用基準が拡大されたら、働き方をどう変えるか聞いたところ、「手取り年収が増えるように働きたい」が52.7%で半数以上となりました。

また、この改正の影響を直接的に受ける、現在の年収が106万円以上130万円未満のパート主婦層では、「手取り年収が増えるように働きたい」が64.0%で3人に2人と、より割合が高い結果となりました。2016年10月の改正によって新たに社会保険料を支払うことになるパート主婦層は、これを契機に、年収の壁を気にしない働き方に変えるのかもしれません。

■もしも収入が増えたら、何に使う?

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もしも収入が増えたら何に使いたいか聞いたところ、1位は「貯蓄」(67.6%)となりました。2位は同じく6割台で「子どもの養育費・教育費」(62.5%)となり、収入が増えるなら子育て費用に回したいと考える人も多いようです。

それらに次いで、3位から5位に、「旅行」(34.5%)、「レジャー」(28.5%)、「美容・ファッション」(23.8%)といった娯楽や自分磨きに使うとの回答が並びました。6位から10位は、「住居費(家賃・ローン返済)」(21.7%)、「外食」(19.8%)、「家電の買い替え」(16.8%)、「自動車購入(新車購入、買い替えなど)」(14.9%)、「雑貨・日用品」(13.9%)となり、住まいや生活に関連する消費が多くなりました。

■もしも自身が病気やケガで長期間働けなくなったら?

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もしも、自身が病気やケガで長期間働けなくなったら、不安なことは何か聞きました。
最多となったのは「日々の生活費」(71.1%)でした。自身のパート収入がなくなってしまうことで生活が苦しくなるのでは、と考える人が7割を超える結果となりました。次いで多かったのは「自分の治療費」(57.3%)でした。病気やケガで働けなくなった場合は、生活費に加えて治療費がかかることもあり、それをきちんと支払っていけるのかを不安に感じる人が少なくないようです。

パート主婦の年収別にみると、年収が高いパート主婦層ほど「日々の生活費」の割合が高くなり、106万円未満の層では67.2%、106万円以上130万円未満の層では78.0%、130万円以上の層では83.7%となりました。年収が高い層ほど、家計への貢献度が高く、自身が病気やケガで長期間働けなくなることによって家計が受けるダメージが大きいのではないでしょうか。

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文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部