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一昨日の、10月23日は、ライフネット生命(正確にはその準備会社)が設立された日です。現社長の岩瀬と2人で登記をしに行ったのが2006年のことでしたから、ライフネット生命プロジェクトが始動してちょうど10年が経過したことになります。あっという間の10年でした。

振り返ってみれば、大筋では幸運に恵まれたという気がしています。生命保険業の免許取得には2年ぐらいはかかると言われていましたので、もし2年かかっていれば開業は2008年の秋(ライフネット生命が免許を取得したのは2008年4月。翌5月より営業開始)。リーマン危機が2008年9月15日でしたから、資本調達が困難になった可能性が否めません。1年半で免許がいただけたからこそ無事に船出ができたのです。改めて、ダーウィンが切り開いた進化論、運と適応という言葉を噛み締めました。

戦後初めてゼロから立ち上げた独立系の生命保険会社の認知度をどうやって高めるか、という大きな経営課題もありました。いろいろな方にアドバイスを求めましたが、さわかみ投信の澤上さんの言葉が一番説得力がありました。「誰も人様の商売を広めてはくれない。自分で発信し続ける他はない。僕がやっているように本を書き辻説法を10年続けてご覧なさい。きっとある程度は認知してもらえるようになるよ」。澤上さんの言葉を信じて愚直に本を出し講演をやり続けてきた10年でした。

当初は2社でスタートしたネット生保も、現在はネットでお申込みができる商品を提供している生命保険会社を含めると10社となり競争が激しくなっています。これはネット生保市場の将来の発展を見越した動きだと思います。みなさまの温かいご支援のおかげでトップラインもボトムラインも伸び続けてはおりますが、伸び率は鈍化傾向を示しており当面の経営環境には厳しいものがあります。開業した2008年5月当時は、日本国内にはスマホはほぼゼロの状態でしたが、近年のスマホ普及率の伸びは目覚ましくパソコンを超える勢いです。それが、「スマホ×保険」の可能性を切り開こうとKDDIとの業務提携に繋がりました。ともあれ、山有り谷有りの生きた経営の難しさを痛感した10年でもありました。

次の10年はどのような時代になるのでしょうか。誰も確かな予測はできないと思います。地道にラン&テストを繰り返していくしか方法はありません。次の10年を担う若い世代を育てることが何よりも大切だと思って、2か月に1回社内で、「出口塾」を開催しています。ライフネット生命の売り上げはまだ100億円足らずで40兆円を超える生命保険のマーケットに比べれば微々たるもの、マラソンで言えばスタートの400mトラックを何とか走り終えて道路に出たぐらいのところでしょうか。勝負はこれからです。この10年を走り続けることができたのはひとえにライフネット生命を応援してくださったみなさまのおかげです。本当にありがとうございました。これからも、皆さまのお力で「真っ正直に経営し、分かりやすく安くて便利な」生命保険を希求するライフネット生命を支え続けてください。どうかよろしくお願いいたします。

写真は、社員一同が集合する朝礼でのひとコマです。サプライズで創業10周年記念のケーキを用意してもらいました。

写真は、社員一同が集合する朝礼でのひとコマです。サプライズで創業10周年記念のケーキを用意してもらいました。