社労士バンドWORKERS!リーダーの中山卓さん(株式会社エンパワーメント・ジャパン代表取締役)、ボーカル・ギターの中嶋美緒さん(M.I.OFFICE代表)

社労士バンドWORKERS!リーダーの中山卓さん(株式会社エンパワーメント・ジャパン代表取締役)、ボーカル・ギターの中嶋美緒さん(M.I.OFFICE代表)

音楽の力で、社会保険を広く一般の人たちに伝えたい! 社労士バンドWORKERS!(ワーカーズ)は、そんな志をもつ社会保険労務士(社労士)によって結成されました。「社会保険が何たるかを理解していなければ、問題が起きたときに支援を受けられなかったり、必要以上の民間保険に入ってしまったりすることもあります。知らないことで必要な支援を受けられないことがあるからこそ、社会保険の基本を学ぶ必要があるんです」と語る、リーダーの中山卓さん。これは、社会保険制度を踏まえた上で、足りない部分だけを無駄なく民間保険でカバーする形をすすめているライフネット生命の方針とも一致します。

なぜ、「社労士」と「音楽」が組み合わさったのか? バンドリーダーの中山さんと、ボーカルとギターを担当する中嶋美緒さんに、WORKERS!誕生の道筋をお聞きします。

■純粋に楽しみたい音楽は2番目に置いて、社労士を目指した

──「社労士」というと、例えば子どもに「将来何になりたい?」と聞いたとき、絶対出てこないような専門的な職業だと思うんです。なぜ、中山さんは社労士を目指されたのですか?

中山:そうですよね。僕も社会人になるまではそんな職業があることさえ知りませんでした。そもそも中高生や大学生は、社会保険を知る機会すらないですよね。

社会保険について知らぬが故に、「あの時、ああしておけばよかった」「こういう手続きをしておけばよかった」という思いをして、そこで初めて学ぶことも多いと思います。

僕が社労士になろうと思ったのは、大学が社会福祉学部だったこともあり、元々社会保障の分野に関心があったからです。ただ、当時は色々とやりたいことがあって、ちょっと人生を迂回していました。独立する直前は長らく会計事務所に勤めていましたが、その前はピアノ好きが高じてピアノ販売店に勤めていたこともあります。

──ピアノの調律師をされていたというお話を聞きました。

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中山:5年ほどピアノ調律師として仕事をしていました。もともと趣味が高じて飛び込んだ世界でしたが、生活がかかってくると純粋に楽しんでいられなくなり、最終的には趣味は2番目にしておくのが一番幸せと考えて、何か世の中から必要とされている資格を身に付けようと考えました。そこで、学生時代に勉強していた社会福祉の延長線上にある社会保障制度を扱う専門職として、「社会保険労務士(社労士)」という職業にたどり着きました。元々、独立志向があったので、将来独立開業を目指せる社労士の資格を取ろうと勉強を始めました。

──そういった経緯から、社労士をしながら音楽にも携わるという方向に進まれたのですね。

中山:純粋に楽しみたいものは2番目にしておくという距離感は、自分でも気に入っています(笑)

■社会保険や税金の話は、学校では教えてくれない

中山:それぞれに忙しいメンバーが集まって一緒に音楽をやるのだから、せっかくなら本業と結び付けてしまおうと考えました。

僕たちの職業である「社労士」という存在はまだまだ多くの人に知られていない。そこで、まずは社労士とはどういう仕事なのか、社会保険とはどんなものなのかということを、みなさんに知ってもらおうと考えました。特に、社会保険って学校ではなかなか教わる機会がありませんよね。社会に出て、必要に迫られたときに初めて学び始めます。僕らには、そこの隙間を埋める職業的使命もあるのではないかと思っています。

社労士バンドWORKERS!のライブ。スクリーンには歌詞だけでなく法令用語解説も映写される

社労士バンドWORKERS!のライブ。スクリーンには歌詞だけでなく法令用語解説も映写される

──確かに、社会保険はこれだけ生活に密接に関わっているのに、学校で習った記憶がありません。

中山:そうですね。税金や社会保険は、ほとんど学校では勉強する機会がありません。
そこで、全国社会保険労務士会連合会では「出前授業」という形態で、全国の高校で社会保険の意義を伝えるための啓蒙活動を行っています。僕らWORKERS!も神奈川県立向の岡工業高校で、社会人特別授業の一環で社会保険の大切さを伝えるための体育館ライブを行いました。

──ユニークな試みですね!

中山:ライブ中、高校生たちが「第3号被保険者!」とか「国民年金!」とか言って盛り上がっているんですよね(笑)。堅苦しいイメージ抜きに世代を超えて一緒に盛り上がれるのは、やはり音楽の力によるものだと思います。

──普通の授業だったら、興味を持ってもらえないですよ。

中嶋:そうなんです。ただ、歌詞の中で伝えられる専門知識はたかが知れています。私たちは楽曲を通して細かい法律の知識を伝えようとは思っていません。身近な社会保険の存在にまずは少しでも興味をもってもらえたらいいなと思っています。

難しいことを難しく伝えるのは簡単ですが、小学生でも分かるくらいまでどれだけ敷居を下げられるかがテーマですね。

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■受験勉強の時、法令用語にリズムをつたことが原点だった

──私も社労士の仕事や社会保障について調べてみたのですが、法令用語が多くてとても分かりにくかったです。

中山:そうなんですよ。僕も勉強を始めた時は、わからない言葉だらけで、まるで外国語の学習をしているようでした

そこで、聞き慣れない専門用語のひとつひとつを何となくリズムに乗せてみて、それをボイスレコーダーに吹き込んで耳で聴いて覚えていたんです。それからだんだんとメロディーも付けるようになって、それがWORKERS!の原点でした。

──勉強しているうちから、着々と曲ができてきたわけですね!

中山:試験勉強の期間をただ合格するための時間に充てるのはもったいないと思いました。せっかく膨大な時間を費やすなら最大幅で副産物をもたらそうと思い、いつか世に送り出すつもりで、オリジナル楽曲のネタをストックしていきました。

合格したら企画書を出版社に持ちこんで、私はこれで合格しました!みたいなイメージで(笑)。ただ、いろいろ考えた結果、どうせなら試験対策本のような資格受験生だけに向けたものではなく、もっと広く一般の人たちに向けて伝える方向性を探る方が価値があるのではないかと考えるようになり、後にWORKERS!を結成するメンバーたちに相談しました。

バンドの方向性を試験対策で行くか、あるいは社会保険を広く伝えるための音楽で行くかという議論がなされて、結局、後者に決定したところでメンバーと結成の契りを交わしたわけです。バンド結成後は楽曲の対象を一般に向けて全面的に新しく作り始めました。こうしてWORKERS!の活動は始まりました。

(つづく)

<プロフィール>
中山 卓(なかやま・すぐる)リーダー、ピアノ
静岡県伊豆半島(函南町)出身。株式会社エンパワーメント・ジャパン代表取締役。静岡県社会保険労務士会三島支部所属。
7歳からピアノを始める。本流はクラシックで、ショパン、ドビュッシーをこよなく愛する。資格学校は一切使わず、残業の多い毎日を送りながらも、自作の暗記ソングでひたすら”耳勉”に励み、2度目の挑戦で社労士試験に合格。社労士受験生時代に作った暗記ソングをもとにメンバー集めに奔走し、WORKERS!発足に至る。ミュージカルの世界ツアーに参加、ピアノ調律師等、異色の経歴をもつ。

中嶋美緒(なかじま・みお)ボーカル・ギター
静岡県浜松市出身。M.I.OFFICE代表。東京都社会保険労務士会中央支部所属。
幼少よりピアノを習い始める。10歳の頃からB’zに没頭しギターに興味を抱く。その後、ゆずの音楽をきっかけにアコースティックギターを弾き始め、大学では軽音楽部に入部。洋楽のROCKに心を射抜かれ、エレキギターの虜に。大学卒業後は所属していた会社の軽音楽サークルでギターを弾くOL生活を送る。社労士となった矢先、社労士バンド発足に情熱を燃やす中山卓に出会い、結成を決意。現在に至る。

●社労士バンドWORKERS!

<クレジット>
取材/ライフネットジャーナル オンライン 編集部
文/森脇早絵
撮影/村上悦子

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