(写真はイメージです)

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子どものころ、転んで膝をすりむくと、よく消毒薬をかけられていませんでしたか?ただでさえ出血していて痛いのに、シュワシュワの消毒薬が、傷口に塩を塗るような感じで余計に痛かった記憶があります。

最近では、すり傷は消毒しない方が治りが良いことが分かってきました。ここ10年ほどで大きな方向転換がなされた分野です。「今までの治療は何だったの?」とも思いますが、医学はこうやって日々進歩していくのだなと、実感しやすい身近な事例でもあるのではないでしょうか。

当記事はMEDLEYニュース・コラム(2015年6月17日配信)より許可を得て転載しています

■消毒薬のデメリット

消毒薬を使わない方が良いという、理屈はこうです。

  • 傷口には、菌がいる
  • 傷口では、皮膚が再生して治ろうとしている
  • 菌も皮膚も、細胞である
  • 敵味方関係なく、あらゆる細胞を破壊してしまうのが、消毒薬である

消毒薬には確かに殺菌作用があるのですが、皮膚が再生するのを遅らせてしまう作用もあるということです。菌が多いのなら、それでも感覚的には消毒薬を使った方が良いような気もしてしまいますが、ほとんどの菌は、軽いすり傷くらいであれば、あまり悪さをしないことも分かってきました。

■自宅ですぐにできる処置

一番重要なのは、シャワーでしっかりと傷口を洗い、土などの汚れを落とすことです。消毒をしなくても、十分に洗い流すだけで菌の数は激減します。石けんは消毒薬とは違いますので、汚れが強い場合には使用しても構いませんが、必須なものではありません。また、シャワーは人肌くらいに温めると、最も痛みが少なくなるはずです。

次に、小さな傷であればそのまま乾燥させてしまっても良いのですが、本来は軟膏などを塗って、乾燥させないようにしておくと、治りがより良くなります。乾燥させてカサブタになると剥がれた際に出血しますし、かゆみも出てきてしまいます。軟膏を常に塗ってしっとりさせておくことで、出血がなくなってピンク色のツルツルした皮膚になり、次第に薄皮(表皮の一部)が再生して、皮膚の色としわが正常に戻る、という経過で治癒します。

■汁が出てきたらどうすれば?

途中で染み出してくる、透明~黄色の液体は、皮膚が治ろうとしている証拠です。傷口の状態が悪いから液が出るのではなく、正常な反応ですので、衣服が汚れない程度に拭き取るだけで構いません。傷口を保護する目的も兼ねて、上からガーゼを当てて、1日に1、2回交換するのも良いでしょう。

すり傷ができた際、なるべく傷跡を残したくないという方は特に、シャワー洗浄と軟膏を試してみてください。

<クレジット>
文/沖山翔(MEDLEY)

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