写真左:臼井朋貴さん(KDDI株式会社 バリュー事業本部 金融・コマース推進本部 金融ビジネス統括部長)、右:岩瀬大輔(ライフネット生命保険 社長)

写真左:臼井朋貴さん(KDDI株式会社 バリュー事業本部 金融・コマース推進本部 金融ビジネス統括部長)、右:岩瀬大輔(ライフネット生命保険 社長)

三太郎CMでもおなじみのauを運営するKDDIは、実は携帯電話を含む通信事業の他に、ネット銀行のじぶん銀行やau損保、さらにはライフネット生命と生命保険を販売するなど、通信以外のさまざまな事業を展開しています。KDDIにて、これらの金融部門を統括する臼井朋貴氏に、新たな分野の可能性、将来像などを聞きました。

■ライフデザイン戦略でauファンを増やしたい

岩瀬:御社は携帯電話会社の3大キャリアのなかでも、先駆けて本格的に金融ビジネスに携わっていますね。

臼井:そもそもKDDIはチャレンジャーなので、本業の通信事業以外で新しいことをやっていきたいんですよ。通信事業各社のサービス内容が同質化している中、これからの時代、通信だけでは、いずれシュリンクするのではないかと思います。そこで、通信のインフラと、デジタル化が進む金融とは相性がいいのではないかと考えて、取り組み始めました。

岩瀬:御社の打ち出す「ライフデザイン戦略」について説明していただけますか。

臼井:通信という基本的なインフラに加えて、生活をトータルにサポートすることで、auのファンを増やそうというものです。

通信以外の業務として、まず着メロなどのコンテンツ・メディアを手がけてきましたが、現在は物販も行っていますし、電力も自由化に合わせて販売を始めました。
 
この多角化の理由として、お客さまには「auならトータルでサポートしてくれる」と考えていただきたいからです。例えば、お米や水を買っていただいたり、auでんきのお支払いにも「au WALLET」のポイントが付きます。じぶん銀行では、例えば住宅ローンを組んだ場合に毎月500円ずつ最長5年間にわたってキャッシュバックしています。いずれのサービスも、店舗を持たないことでコストを抑え、その分をお客さまに還元する仕組みです。

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岩瀬:それを称して「au経済圏」とも言われていますね。 

臼井:はい。携帯電話を契約しているお客さまに、保険や銀行、物販などのサービスを利用していただくことによってauの付加価値を高め、ご利用いただいているお客さまにポイントを還流し、さまざまな商品でできている輪を大きくしていきたいということを表しているんです。

このau経済圏のベースとなるのが「au WALLET」です。クレジットカードとプリペイドカードがあり、クレジットカードを利用するとWALLETポイントが通常の2倍つきます。例えば光熱費の引き落としに使えば、そのたびにポイントがたまり、そのポイントをプリペイドカードにチャージすると現金同様に使えます。さらにその使用時にもポイントがたまるので、うまく使えば、ポイントがどんどん還流してお得感が広がります。*

*2016年12月時点の情報です。

岩瀬:海外でも、通信と保険の組み合わせはまだかなり珍しいようですね。

臼井:フィンテックが進み、銀行業務は決済などの分野で通信との融合が進んできていますが、保険はまだあまり聞きませんね。

■ふらっと立ち寄れる「生活のコンビニエンスストア」

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岩瀬:現在、通信料は家計に占める割合が高いと言えます。家計全般の見直しニーズについてはどんな対応をしていくのでしょうか?

臼井:今はまだ通信業と金融業はへだたりがあるように考えられますが、将来は、auショップに行けば何でもできるというようにしたいんです。つまり「生活のコンビニ」ですね。ふらっと立ち寄って、金融商品、保険商品について相談して解決し、満足して帰れる、そんなコンサルティングステーションにしたいんです。

岩瀬:スマホを通して通信が通貨になるような世界になったら面白いですね。日本では、アメリカなどに比べてネット銀行の利用者がそれほど増えていないと思うのですが、何か日本特有のカベみたいなものは感じますか?

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臼井:アメリカは国土が広くて、買い物をするために何十キロも車に乗らなければならないこともあるので、インターネットが不可欠ですが、日本では都市に住んでいれば、店舗も近くにあり、ネットがなくてもすみますからね。それから、人に会って相談し、背中を押してもらってようやく決心するという、日本人の性質がありますから、auショップがそういう場になるんじゃないかと考えています。

■野球チームとライフデザイン戦略は似ている?

岩瀬:ところで、白井さんは長年野球をしていらしたとか。野球からビジネスにつながるヒントはありますか?

臼井:高校、大学で野球部に所属し、今は休日に少年野球のコーチを務めています。監督は9年目です。ビジネスのためにやっているわけではないですが、仕事のヒントになることはありますよ。子どもたちには、僕らが当たり前だと思うことが通じないので、何でもかみ砕いて説明します。それが、ネットで保険商品を並べて「情報を見ればわかる」と思うのにお客さまには通じない、何度もかみくだいて説明するのに似ているなと思ったりします。

岩瀬:さらにいうと、ライフデザイン戦略と野球の似ているところはありますか? 

臼井:守備位置かな。ショートばかり集めてもチームは作れません。ピッチャーには先発、中継が必要ですし、ホームランを打てる子も、バントができる器用な子も、どちらも大切です。特色を持った選手が集まってチームを作れば、9人のチームだけれど15人分くらいの力が出せます。ライフデザインのさまざまな商材をそれぞれの守備位置とすれば、銀行や保険などに通信が加わることによって、何倍ものシナジーが生まれ、チームとして強くなる、というところでしょうか。

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岩瀬:私も会社組織を野球チームに例えることがありますが、7、8、9番バッターの役割って何でしょう?

臼井:7、8、9番は、ボディーブローのように相手にプレッシャーを与える役ですね。打てないのなら、凡退するとしても粘って相手ピッチャーに一球でも多く投げさせると、あとになってそれが効いてくる。いかに味方の上位打線の選手にチャンスをまわすかなんです。4番バッターばかりだと、打てるかもしれないけれど穴もある。いろいろな人がいる方が、相手は一様に対処しにくいですからね。

岩瀬:できなかった子どもたちが、メンタルの変化で強くなるということはありますか?

臼井:少年野球では、きちんと教えられず結果だけ見て「なんで打たないんだ」「なんで走らないんだ」と怒る大人が多くて、そのせいでチームが弱いことがあるんです。だからまずは、ひと通りは基本を具体的に教えてから、本番で緊張しないように、たくさん練習試合をさせる。そこで成長が見えたら褒めて自信を持たせるんです。そうしたら練習試合で、僅差で負けても「去年○○区で優勝したチームにこれだけ善戦できたぞ、いまならうちの区で優勝狙えるかもしれないぞ」と褒めれば、子どもは素直なので「すごいんだ、僕たち」と徐々に思えるようになるんですね。

会社でも、「なんでできないんや」と言うだけだと、えらいことになりますよね(笑)。

岩瀬:平日だけでなく休日もマネージメント、戦略を考えているわけですね(笑)。

臼井:週末は趣味のつもりだったけど、そうなってしまいましたね。弱い人が強い相手に勝とうとしたら、やはり頭を使わなければと思うんですよ。

■チャレンジャーとしてタッグを組みお客さまに提案すること

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岩瀬:ライフデザイン戦略のパートナーとして、ライフネット生命を選ばれた理由はどんなことでしょう。

臼井:まず、共感できる相手だということが前提条件でした。ライフネット生命さんは、生命保険のネット販売では先駆者なので、新しいことにチャレンジし続けているKDDIとして共感できます。旧来の保険会社がやらないようなこともチャレンジする風土がありそうだと考えました。とくにライフデザインと保険は、タッグを組んでチャレンジャーとしてやっていける相手でないとできませんから。

岩瀬:KDDIはチャレンジャーではなく大企業だと考えている若い人も多いと思います。

臼井:もともと KDDIは、通信を安くしようというコンセプトで立ち上がったDDI、携帯電話のIDOなどの企業が17社集まってできた会社なんです。だからこれからも常にチャレンジャーでなければいけないと考えています。

岩瀬:では最後に、「auのほけん」には、どんな方に入ってもらいたいと考えていますか?

臼井:若い世代の方は保険に入っていない人が結構います。そういう若い人たちが安心して生活するために、現在の生活にフィットする保険として入ってもらいたいと考えます。それから、内容がよくわからないまま契約して高い保険料を払っている方にも、これを機会に保険の見直を考えてほしいと思います。auのユーザーにとっては、毎月200円の還付金というサービスも大きなメリットですしね。*

*保険料還付金付き「auの生命ほけん」のご案内

2016年12月1日にリニューアルした保険料還付金付き「auの生命ほけん」では、auスマホなどを利用するお客さまが、当保険商品にお申し込みすることで、還付の条件を満たすと月々の携帯電話通信料の請求時に毎月200円を最長60ヶ月間、保険料還付金を受け取ることが可能となります。

「auの生命ほけん」は、KDDI社を通じて、auスマホなどを利用しているお客さまに対して2016年4月5日から販売を開始いたしました。「auの生命ほけん」はお手頃な保険料や24時間いつでもスマホやパソコンから簡単にお申し込みできる利便性に加え、お客さまに安心してご検討いただけるよう専用のご相談窓口「auフィナンシャルサポートセンター」を開設するなどのサポート体制も充実しており、お客さまによりわかりやすく、より便利でおトクなサービスを実現しています。

詳しくはこちらをご覧ください。

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<プロフィール>
臼井朋貴(うすい・ともき)
1968年大阪府出身。1991年 第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。2002年フューチャーシステムコンサルティング(現フューチャーアーキテクト)へ入社、金融機関向け経営/ITコンサルティング、融資支援システムの導入等に携わる。2007年SBIホールディングス入社。SBI住信ネットバンク設立準備調査会社、住信SBIネット銀行開業後、執行役員マーケティング本部長等を歴任、その後、SBI証券執行役員を経て2015年にKDDI入社。現・金融ビジネス統括部長として、auライフデザイン戦略の一翼を担う金融戦略策定、事業推進を担当。

<クレジット>
取材/ライフネットジャーナル オンライン 編集部
文/長谷川圭子
撮影/村上悦子

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