保険を無駄なくかけるには、「掛け捨て」が良い、という話を聞いたことはありませんか? 用意したい備えと、家計に占める保険料とのバランスを考えると、掛け捨ての保険を賢く使うのは理にかなっているように思えます。

しかし、「掛け捨て」=支払った保険料が戻ってこない、という側面だけを見て、掛け捨ての保険はもったいないような気になる方も少なくないようです。

実際のところ、「掛け捨て」の保険って、どうなのでしょうか?

■掛け捨ての本来の意義は「捨てる」ものではなく、「助け合う」もの

生命保険の保険料は、大きく分けて、「貯蓄部分」と「保障部分」と「手数料」とで構成されています。「掛け捨て」とされる保険は、このうちの「貯蓄部分」がなく、「保障部分」と「手数料」でできています。

この「保障部分」は、保険金や給付金の原資となるもので、決して「捨てられる」ものではなく、ご自身の万が一の時にはもちろん、誰かの大変な事態に対する助けとして機能しています。

貯蓄性のある保険との対比として「掛け捨て」と言われていますが、そのお金は無駄になることではなく、誰かのために、またいつか自分のためにも活かされているのです。 そう考えると、本当は「掛け捨て」という言葉も、やめた方がいいくらいですね(笑)。

■生活の変化に合わせて柔軟に見直せると、結局お得に

同じ保障額を生命保険で用意する場合、保険料は「貯蓄部分」のない「掛け捨て」の方が貯蓄性のある保険と比べて安くなります。また、保険期間を「終身」(一生涯)ではなく「定期」(一定期間)にすれば、さらに保険料は安くなります。

保障がいくら必要かは、ライフステージの変化によって変わってきます。 独身のときは残すべきお金もあまり必要ありませんが、お子さまが生まれると、万一のときに必要な金額が、お子さまの先々の教育費も含まれ、格段に大きくなります。逆に、お子さまが独立されると、そこまで大きな保障額は必要なくなります。

このように、そのときの必要な備えを、なるべくお手頃な保険料で無駄なく準備しつつ、ライフステージの変化に合わせて保険の内容を見直していくのが、賢い保険の使い方。保険に加入するときや見直すときは、ぜひ「掛け捨て」の保険もご活用ください。

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文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部

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