(写真はイメージです)

「スポGOMI」をご存知ですか? これは、「ごみ拾いはスポーツだ」を合言葉に、「スポーツ」と「ごみ拾い」をかけ合わせ、企業や団体が取り組むごみ拾いにスポーツ要素を取り入れたユニークな競技です。この「スポGOMI」を運営する一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブ代表の馬見塚健一(まみつか・けんいち)さんに、お話をうかがいました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て転載しています

■「スポGOMI」とはどんなアクション?

馬見塚:地域で行なわれている既存のごみ拾いに、ルールを加えスポーツ化したものです。自分たちの住んでいる地域のごみを、人任せにせず、自らの汗と情熱で解決しようというアクションです。現在まで、国内外でおよそ600回の開催実績があります。

■スポーツということは、ルールがある?

馬見塚:開催場所は、街中や、河川敷、海岸など。どこでも競技エリアとなるため、 安全面を配慮したルールと、競技性を高めるためのルールの2本立てで構成しています。チーム戦で、1チーム5人でエントリーし、制限時間内にチームで力を合わせてごみを拾い、その質と量で競い合います。スポーツですが、安全上「走らない、早歩きはOK」というルールもあります。

■なぜ、このアクションを始められたのでしょう?

馬見塚:朝のランニング中に、ごみを拾い始めたのがキッカケです。 体の動きや筋肉を意識しながら目に付くごみを次々と拾っていくうちに、 汚いと思っていたごみが、だんだんターゲットになっていったんです。これは、ごみを拾う行為を自分なりにルール化(スポーツ化)したからだと気付きました。 既存のごみ拾いをスポーツ化することで、ごみとの向き合い方や価値観が変わるのではと考え、ルールを作成し、2008年5月に、渋谷での初開催に漕ぎ着けました。

■世界にも広がりつつあるそうですね。

馬見塚:昨年6月はロシアのトムスク州、11月はミャンマーのヤンゴン市でスポGOMIを開催しました。どちらの大会も大変な盛り上がりで、ロシアでは今年、モスクワ、トムスクでの開催、第2回目のヤンゴン市大会などの計画が進み、バンコク、キューバで開催の話しも出ています。

■都内でも大きなイベントを開催されたそうですね。

馬見塚:世界環境デーの6月5日に、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会主催で「東京2020 スポGOMI大会」を開催しました。競技エリアは新国立競技場の周辺で、リオオリンピックの競歩で銅メダルと取った荒井選手をはじめ、日本を代表する競歩の3選手に参加していただき、よりスポーツさが増し会場が沸きました。

■参加された方から、どんな声が?

馬見塚:競技の間はごみが宝物のように感じるので、ごみ拾いが本当にスポーツのように楽しめたことにみなさん驚いています。ただ競技が進むにつれ、「ごみを発見した方が嬉しいけれど、本来なら無い方がいいんだよね……」と、ちょっとした違和感を感じはじめます。 その妙な胸へのつっかかりが環境意識への気付きだと思っています。スポGOMIに参加した方々はみなさん、日常の生活で落ちているごみが目に飛び込んでくるようになったと言います。そんな感覚になった人は絶対にごみをポイ捨てしません。

■最後に、団体が目指す未来を教えてください。

馬見塚:ごみ拾いをスポーツ化できるのは、日本人の感性だけだと思っています。 私たちはこのスポGOMIを、日本発祥のソーシャルスポーツとして世界に発信し続けます。今回、オリパラのみなさんとの大会で大きな弾みをいただきました。 そして、私たちが目標とする、「スポーツの力で、国や地域の社会課題を解決する」というテーマの下に、ごみ以外の社会課題解決にもチャレンジして行きたいと思っています。

<インフォメーション>
一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブ
●www.spogomi.or.jp/