かつては、保険金の受取人に同性パートナーを指定することができなかった生命保険。ライフネット生命では社内有志による検討を行い、想定される課題について社内でひとつひとつ検討し、法律家・医療関係者へのヒアリングや当事者調査を行い、課題だと思っていたものは、どれも実は“同性だから”に限った課題ではないと結論づけ、2015年11月に保険金の受取人に同性パートナーも指定できる仕組みを開始しました。

ほどなくして、他の保険会社でもどんどん同性パートナーの受取人が認められ、この課題も大きく前進しました。先日、札幌市が「札幌市パートナーシップ宣誓制度」を開始したことも、話題となっています。

■パートナーシップ証明書は必要?

もし戸籍上の家族や親族であれば、保険の契約者が保険金の受取人に指定することに何も問題はありません。一般的には、保険金の受取人は配偶者や2親等以内の親族とされているからです。

では、まだ婚姻が法的に認められていない日本で、戸籍上配偶者となれない同性愛者のパートナーは、どのようにすれば保険金の受取人になれるのでしょうか?

自治体によっては、同性カップルに、パートナーシップに関する独自の証明書を発行しています。そうすることで、結婚のような形をとりたい同性カップルを後押ししているのです。

ただ、2017年8月現在で証明書が発行されるのは、先にご紹介した北海道札幌市のほか、東京都渋谷区、同世田谷区、兵庫県宝塚市、三重県伊賀市、沖縄県那覇市と、ごく限られた自治体のみとなっています。

ライフネット生命では、同性パートナーを保険受取人に指定する際に自治体によるパートナーシップ証明書(名称は自治体によってさまざまです)の提出は必須要件にはしていません。もしそのような証明書の提出を必須要件にしてしまうと、限られたエリアのお客さまにしか対応できず、また自治体によって証明書の発行基準も異なるからです。

ではどのように確認するのかというと、当社独自で作成した証明書(2人の住所、氏名、生年月日と捺印のみ)とお2人の住民票などで確認をしています。また、場合によっては面談させていただくこともあります。

本来生命保険は、契約者ご本人や、ともに人生を歩む方との生活を支えていくためのツールです。 保険会社のミッションは「必要な方に、必要な保障を、時代に合わせた届け方」で提供することだと考えます。これからもひとりでも多くの方が、自由に保険を選ぶことができるようになってほしいと思います。

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文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部