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思い切り体を動かしたり、チームを組んで一つの目標に向かって仲間と力を合わせたりするというスポーツの経験によって味わえる喜びは、多くの人が知るものでしょう。しかし、障がいがあるためにそんな楽しみを知る機会が少ない子どもたちがいます。彼らのために、そしてあらゆる人のためにサッカーをはじめとしたスポーツを通して、社会貢献活動をしている団体、NPO法人トラッソスの副理事長、吉澤昌好さんにお話をうかがいました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て転載しています

■トラッソスとは?

知的障がい及び発達障がいのある子どもたち、それから大人も参加できるサッカースクールとクラブチームの運営及び指導を行っています。また、スポーツを身近に感じてもらうため、指導者を派遣し、各地でサッカー教室や運動教室を実施しています。さらに啓発活動として、健常児者との交流大会(copa&COPA)や障がいの程度、年齢に関係なく参加できる競技会(全日本知的障がい児・者サッカー競技会にっこにこフェスタ)も開催しています。

副理事長の吉澤昌好さん

■発足のキッカケはなんだったのでしょうか。

Jクラブの下部組織で指導していたとき、自閉症や知的障がいの中学生と出会い、彼らの魅力にひきつけられました。彼らには、容易にサッカーができる組織がなく、またあっても月1回しか参加する機会がないという状況でした。健常児は週末に限らず平日も好きなだけ活動できるのに、どうして知的障がいがある子どもたちには受け入れる場がないのだろうと思い、なければ作ってしまおうと決心し、当時指導をしていた下部組織のクラブを辞めてトラッソスを作ったのです。

■障がいがある児童と健常児者との交流大会は、どんな思いで開催していますか。

健常児・者や指導者、保護者に「トラッソスのような団体がある」ということを、知ってもらうことが啓発になるのではないか、さらに、トラッソスの子どもたちが将来何か困ったときに手を貸してくれるのは、同世代の健常児・者ではないだろうかと考えました。そこで、サッカーを通して自然に交流して、いろいろな人間がいることを広く知ってもらいたいと思って大会を始めました。

回を重ねるにしたがって、健常児・者に知ってもらい理解してもらうだけでなく、相互理解を深めることが大切であるということをトラッソスの子どもたちたちや健常児・者に教えてもらいました。

■スポーツを通して、どのような社会を築きたいと考えていますか。

障がいの有無に関係ない、優しい社会を目指しています。障がい者雇用は進んできましたたが、課題や問題はまだ山積みです。トラッソスに参加した子どもたちや、かかわってくれた子どもたちが、障がい者として見られるよりも、「なんだかかわいいなぁ」「なんかほっとけないなぁ」と見られるように、『かわいがられる人間育成』を目的にしています。

定期的に「障がい児の未来を見つめる指導者塾」というイベントを開催し、サッカーを通して活動するNPO法人トラッソスについては、ぜひウェブサイトをご覧ください。

●インフォメーション
トラッソス ウェブサイト
http://tracos.jp/
https://www.facebook.com/npo.tracos/