(写真はイメージです)

いつも落ち着きがなく自分勝手な行動ばかりとっているように思われたり、言葉や計算を学ぶことが困難な場合がある発達障がい。大人になって社会に出てから、障がいがあることに気づく人もいます。彼らと周囲の人たちが、ともに障がいを理解しお互いを補い合えたら、みんなが少し生きやすくなるかもしれません。そんな気持ちを支援する事業を実施しているハッピーテラス株式会社の北川庄治さんにお話をうかがいました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て転載しています

■ハッピーテラスとは?

発達障がいの人々のための支援、具体的には、未就学児、および小学1年生から高校3年生までの障がい児が、主にコミュニケーションスキルを磨くための療育の支援事業(放課後等デイサービス事業)と、発達障がいの大人のための就労移行支援事業を行っています。

ハッピーテラス株式会社の北川庄治さん

■「発達障がい」とは、どのような障がいでしょうか

脳機能の発達が関係している生まれつきの障がいです。主にADHD(=注意欠陥他動性障害。何かに集中したり、じっとしていることが難しい)、自閉スペクトラム症(言葉の遅れはないがコミュニケーションがとりづらく、対人関係をうまく築きづらい)、学習障がい(「読む」「書く」「計算する」が顕著に苦手)などの症状がありますが、私たちは、このような社会的な困難を抱える人たちを単純に「障がい」とはとらえず、「発達の凸凹」ととらえたいと考えています。例に上げた凹の部分はあるけれども、環境が整いさえすれば、平均以上の創造力を発揮できるような凸の部分も持った人々であることも多いのです。

■具体的にはどのような支援をしているのか、教えてください

お子さんの得意なところ(凸)は伸ばし、不得意なところ(凹)をカバーできるよう、常に保護者と面談しながら、目標を定め細かく指導しています。また、法律改正によって来年度から企業の障がい者雇用率が上がるので、企業の注目が集まっているなかで、就労支援として、一般企業に向けては、労務士の講演会や人事関係者を招いての採用活動の指導などを実施しています。障がい者に対しては、自分の特性について知り、どのような対処を行えば乗り越えられるのか、どうすれば問題が起きないのかなど、個別に指導しています。

■本人はもちろん、その周りにいる保護者をはじめとした大人たちも発達障がいに理解を示すことが大切ですよね

当事者や保護者へ向けたコミュニケーションスキルを中心にした療育を行っていますが、発達障がいへの理解を深めてもらうため、大学の先生や専門の医師による講演会なども開催しています。2017年9月には「思春期~青年期における発達障害の特徴と関わり方」というテーマを設け、小児科医の平岩幹男先生による講演会を実施しました。

■サービスを利用される方々からは、どのような感想が届いていますか?

児童の支援に関しては「落ち着きが出て友だちと過ごす機会が増えた」「きちんと目を見て話せるようになった」「自分の気持ちを表現できるようになった」などの感想があり、就労支援に関しては「希望の就職先に就職できた」「あらかじめ上司や同僚に理解してもらうことで離職率が低くなった」などの言葉が寄せられています。

■ハッピーテラスが目指す未来について、教えてください

ビジョンとして「凸凹が活きる社会をつくる」ことを掲げて、社会貢献事業を行っています。古くから日本では、学校で習うこと以外の特性があまり重要視されていなかった側面があると感じています。しかし何かが人より劣っていれば、それをカバーするために何かが伸びてくるのです。私たちの活動が、発達障がいの特性を強みに変え、活かすことができる社会作りの一助になればと思っています。

ハッピーテラス株式会社の活動に関しては、ぜひウェブサイトをご覧ください。

<インフォメーション>
ハッピーテラス株式会社
http://happyterrace.co.jp/
http://happyterrace.co.jp/information/