医療保険を検討する際に「差額ベッド代」のことも考慮して入院給付金額を決めるようにと、すすめられることはありませんか?

「差額ベッド代」という言葉、実は日常生活ではあまり使われないため、わかるような、わからないような、なんとなくあいまいな言葉としてとらえている方も多いのではないでしょうか。

いまさら聞きにくい基本的な言葉「差額ベッド代」とは何か、それによって保険金額をどのように考えればよいかを、改めて考えてみましょう。

■「差額ベッド代」とは……

「差額」というからには、何か基準となる料金があって、それとの「差」があるベッド代、ということになります。それは何かというと、通常の大部屋に場合に比べ、一部屋の人数を減らして1人〜4人の少人数の部屋(特別療養環境室)を運営する場合にかかる差額コストを、病院側が利用者に対して請求できる上乗せ費用のことで、正確には「差額室料」といいます。

入院時に、治療費以外で一番かかるのはこの差額ベッド代です。この金額は地域によっても、医療機関によっても異なりますが、全国的には平均で1日当たり約6,100円、特に個室では約7,800円となっています(厚生労働省調べ)。一般的には差額ベッド代には土地代や人件費が反映されることから、東京都では高くなっています。

■「差額ベッド代」と、医療保険の「入院日額」の考え方

この「差額ベッド代」は、健康保険ではカバーされませんので、一人部屋を選択肢として考えておきたい方は、差額ベッド代の平均額にあわせて医療保険では「入院給付金8,000円」の保障を選ぶことがひとつの目安となります。

ちなみに、差額ベッド代の他に入院時にかかるのは、毎日の食費や、寝巻きなどの備品類などですので、これらも含めて保険を考える場合は「入院日額10,000円」、さらに治療費までカバーできるようにしたい場合は「入院日額12,000円」くらいを目安にするとよいでしょう。

■差額ベッド代が発生しないケースもある?

少人数の部屋の利用は、プライバシーを確保したい、と患者の方が自ら希望する場合もありますが、唸り声などが他の方の迷惑になる場合や、滅菌環境が必要で他の方と隔離しなければならない場合、絶対安静が必要な場合など、状況によってはそうした環境が治療上必要だと、病院側が判断する場合があります。

自ら望んで個室などを指定しない場合でも、医師が治療に必要と判断して個室を指定したり、他に空きがなく止むを得ず個室になったりした場合は、差額ベッド代がかからないこともあります。

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文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部