(写真はイメージです)

こころの問題は繊細で複雑。専門医の診察を受けたいと思っても、どの医療機関のどの部署に行ったらよいのかわからずに、なかなか一歩を踏み出せないこともあります。そういう人たちの相談窓口になるべく活動しているNPO法人CNSネットワーク協議会代表理事の後藤美穂さんにお話をうかがいました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て転載しています

■CNSネットワーク協議会とは?

こころの問題に関する情報発信や、ひきこもりの方が安心して通うことができる自宅以外の「居場所」の提供、こころに問題を抱えた人たちのカウンセリングなどを行っています。

■発足のキッカケは何だったのですか?

病院で看護師として働いていた当時、医療機関はたくさんあっても相談に乗ってくれる機関はありませんでした。それが理由なのか、職場以外でも「うちの子は最近話しかけても応答しないし、ご飯も食べない、眠れていないようだけど、どこに連れていったらいいのか? どこか良い病院はないか?」といった相談をよく受けていました。そこで精神科関係の正しい情報を伝えたい、こころの問題で困っている人と、精神科の医療機関との架け橋になれる「相談場所」を作りたいと思い、3年前にNPOを設立しました。

代表理事の後藤美穂さん

■<ほっといい場所 ひだまり>というスポットについて教えてください。

相談場所として作った[CNSネットワーク協議会]で、「こころの悩みを持つ人が、安心して通うことができる「場所」があったらいいのに」という声があったので、それに応えようと代々木駅近くに作った場所です。
2017年4月には東京都が、研究団体として居場所事業も認めるようになりました。利用者には、「ずっと引きこもっていました」という人から、家の外の社会とうまくつながれない人、休職中で社会復帰準備中の人など、さまざまな人がいます。

■「社会とつながりたい」という方々が、<ひだまり>で つながっている?

「ひきこもり」と一言で言っても、その中には「社会とつながりたい、社会に出ていきたい」と思っているのに、こころの問題を抱えていて一歩が踏み出せないという人が多いように感じます。特別、甘えているわけでも怠けているわけでもなく、誰かを信頼することが怖いと感じていたり、自分に自信が持てなくなってしまった人も多いのです。<ひだまり>は、人は人によって癒やされるんだなと実感する場所でもあります。

■<ひだまり>では、どのような支援を行っているのでしょうか?

心に悩みを抱えたり、ひきこもりになってしまう人は、非常に優しくて繊細で、まじめな人が多いのです。その中には、自分を責めてしまったり、自分自身を追い詰めて苦しめてしまう人もいます。<ひだまり>では、臨床心理士や看護師も加わって「認知行動療法」という精神療法で、苦しい考え方を柔軟に変えていけるようにトレーニングしています。

■最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

からまった心の糸を、本人と家族のペースでゆっくりとほどくお手伝いができればと思っています。<ひだまり>では、毎週月・水・金曜に「居場所」を実施し、家族向けの活動として10月27日に家族会を開きました。こころの辛さを何とかしたいなと思っている人は、相談にだけでも気軽に来てください。

<ひだまり>の情報やそのほかの支援活動については、ウェブサイトをぜひご覧ください。

<インフォメーション>
NPO法人CNSネットワーク協議会
●http://www.cns-net.or.jp/
●http://hidamari.cns-net.or.jp/