(写真はイメージです)

日本人の食卓に欠かせない食材であるお米で作るおにぎりは、どんな具を包むのか、それともシンプルに塩だけで握ってお米の味を楽しむか。のりを巻いたり、ふりかけをまぶしたり、味だけでなく見ためも楽しめる食べ物ですね。食糧不足に苦しむ世界の人たちを助けるために、おにぎりを生かした活動を進めるTABLE FOR TWOの大宮千絵さんにお話をうかがいました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て転載しています

■おにぎりアクションとは?

2016年に始めた活動です。おにぎりにまつわる写真に「#OnigiriAction」をつけてSNSまたは特設サイトに1枚投稿すると、アフリカ・アジアの子どもたちの学校給食5食になります。

■そのユニークな取り組みについて、詳しく紹介してください。

国連が10月16日を世界食料デーに制定したことを記念し、貧困の解決に向けたアクションとして、2017年は10月5日から11月15日まで、おにぎりアクションを開催しました。おにぎりは、作ったものでも、買ったものでもOKで、ひとり何度でも繰り返し投稿が可能でした。

この活動の趣旨に賛同する企業・個人が、写真1枚の投稿につき100円(給食5食分)を寄付する仕組みで、写真を投稿する人にはお金の負担はありません。

事務局の大宮千絵さん

■なぜ「おにぎり」?

おにぎりは、日本人の身近な食べ物で、だれかのために握る機会が多い食べ物です。大切なだれかのために握ることが多いので、温かい思い出を持つ人もたくさんいるでしょう。そんな思いを込めて握るおにぎりに、アフリカ・アジアの子どもたちへの思いも込めて参加してもらえたら、と考えておにぎりをシンボルに選びました。

■日本では フードロスの問題が報じられることが多くなりましたが、TABLE FOR TWOが取り組む「世界の貧困、飢餓」も見過ごせる問題ではありませんね。

世界人口70億人のうち、およそ10億人が飢餓に苦しんでいると言われています。私たちの支援先であるアフリカの国では、毎日1食も食べることができない子どもたちがたくさんいます。そういった子どもたちは、学校に通うエネルギーもなく、家業の手伝いをするために、学校に通い続けることができない場合もあります。

TABLE FOR TWOの支援先では、給食プログラムが始まる前は学校の出席率が50%台まで下がっていましたが、給食がスタートしたことで、子どもたちは「1食食べられるなら行っておいで!」と学校に行かせてもらえるようになり、出席率が100%に回復しました。1食の給食が、教育の機会、そして貧困から脱する機会に結びついているのです。

■2016年も開催されたこの取り組みに対する現地の反応はいかがでしたか?

2016年は世界中から1日2,000枚もの写真投稿があり、期間中11万枚ものおにぎり写真が集まりました。日本以外の人たちはおにぎりになじみがないので、活動が広まるかどうか心配しましたが、海外に住む日本人がアンバサダーのようになって、おにぎりの作り方を現地の方に教え、一緒に作って写真を撮り、参加してくれました。数えられないくらいのおにぎり写真がアメリカ、カナダ、オーストラリア、ドイツ、イタリア、イギリス、ケニア、ウガンダ、マレーシア、シンガポール、スリランカなど海外から寄せられています。結果として、4,000人のアフリカ・アジアの子どもたちに1年間分の給食を届けることができました。

「おにぎりアクション2017」とそこに寄せられた多く写真は、ぜひウェブサイトでご覧ください。

<インフォメーション>
●TABLE FOR TWO
http://jp.tablefor2.org/campaign/onigiri/