児玉さんが決行した「ストロングスタイル」は、

(1)朝の2時半に起床して新聞配達のバイト

(2)それから昼間は工場勤務

(3)シフトが空いている時間は各種のバイト

(4)さらに空手の稽古も毎日真剣にやる、といった過酷なものでした。

「これをすべて毎日休まずやって、帰宅するのは23時。しかも、そこから近所の砂浜をランニングし始めたんです。まったく、バカですよね(笑)」

児玉さんの過酷なスケジュールは1年間ほど続き、留学資金は400万円も貯まりました。さらに空手の才能も開花して、大会で優勝するようにもなったそうです。

「僕は決めたことを最後までやることを『ストロングスタイル』と呼んでいるのですが、当時はかなり無茶でアホなことをしたと自分でも思います。しかし、この決意がなければ、アメリカにはいつまでも留学することなどできなかったでしょう」

落ちこぼれ高校生だった児玉さんの人生を変えた「嵐の夜の気付き」は、今もあらゆる行動の指針として、ご自身を内側から突き動かし続けています。

(後編に続く)

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<プロフィール>
児玉教仁(こだま・のりひと)
1972年生まれ、静岡県出身。グローバルアストロラインズ代表取締役社長。高校卒業後にアルバイトで学費を稼ぎ、20歳で単身渡米。ウィリアム・アンド・メアリー大学卒業。1997年に三菱商事へ入社し、在籍中の2004年にはハーバード大学経営大学院入学、2006年にはMBAを取得した。2011年に三菱商事を退社。その後、国際社会で活躍できる人材の育成を目指して現在の会社を立ち上げ、英会話上達の集中合宿『イングリッシュブートキャンプ』等創造的な学習機会を提供している

<クレジット>
取材・文・撮影/小山田裕哉