1410m_01

2009年に創業し、インターネットを活用した新しいかたちの会員制転職サイトとして成長を続ける「ビズリーチ」。同社代表取締役社長の南壮一郎さんが、劇的な成長を支える「採用のコツ」を、ライフネット生命の社内勉強会で語ってくれました。

■事業の基本は、結局“人”である

ビズリーチは2009年4月に事業をスタートして、今年で5年になります。当初は社員が2人と、ボランティアで手伝ってくれた5人だけの零細ベンチャーでした。

それが今では2つの会社に分社化して、従業員が430人にも及んでいます(2014年7月現在)。しかも、この先1年であと200人くらい採用する予定です。いったい、何があったんでしょう(笑)。僕自身も驚いています。

1410m_2

これは会社の業績が好調だということもあるのですが、僕らが採用のコツをつかんだというのが大きいです。

事業づくりとは組織づくり。そして、組織づくりとは仲間探しである――。僕はこれを繰り返し言っており、社内でも何度も語っています。うちの会社の採用条件は「事業づくりがしたい人」! シンプルですが、その理念で全員がつながっている。

しかも、うちは人材業界の領域で事業を展開しているだけあり、全従業員がヘッドハンター。常に優秀な人を探すことの重要性をクライアントに伝えているので、ビズリーチ自身の採用でも優秀な人をいかに探すかということを考えています。

みなさんも何度も何度も言われてきたことだと思うんですが、事業とは「人」なんです。つまり、もっとも優秀な人を集めた会社が成長します。

ところが、楽天イーグルスを辞めてビズリーチを立ち上げたものの、僕は採用どころか人事の経験もない。そこでとにかく、採用が強い会社に「どうやって採用していますか?」といろいろな話を聞いてまわりました。

そこで見えてきた3つのポイントを紹介します。

1:採用とは確率論に過ぎない

1410m_3採用は基本的に営業と同じなんですよ。忙しい会社に限って効率的に探す方法を考えがちなんですけど、そんなものはありません(笑)。より多くの人を探して、より多くの人にアプローチして、より多くの面接をした会社が、より優秀な人を採用できる。これが採用成功のルールだと思います。

僕も最初は誤解していました。立ち上げ当初にうまく採用できなかったときに、とある会社の人事部長に「なかなか良い人を採用できないんですよ」と相談したのです。

すると、その部長は「南くん、ちょっとスケジューラーを見せて」。

それを見ながら、「先週は何人面接しました?」「3人です」「その前は?」「4人です」「なるほど。人を雇えない原因は君だね!」。

つまり、なんでそんなに採用に困っているのに、1週間で3人とか4人にしか会っていないのかと。僕は営業出身なんですが、週に3、4件しか営業に行っていない営業マンが「契約がとれません!」と悩んでいるのと同じ話だよっていうのです。

採用は求職者と会社との契約です。契約をとりたいなら、あれこれ言わずにとにかく会う回数を増やせ。それがこの部長さんのアドバイスでした。今振り返っても、まったくその通りだと思います。

(次ページ)あと2つのコツとは