みんなが知りたいお金の話、知っておくべきお金の話。岩瀬大輔が「お金のプロフェッショナル」の方々に、直接インタビューしてまいります。今回は、メガバンク元支店長の菅井敏之さんにお話を伺いました。(前編はこちら)
■4大固定費のひとつ「保険料」の見直しポイント
岩瀬:渋谷でカードローンの看板を見た時の、「このままでいいのか」という思いから本の出版という行動に移された。菅井さんにはとても共感します。
菅井:業界への疑問から出発しているという意味では、ライフネット生命さんも同じですからね。長いことブラックボックスだった保険の手数料というものを、白日のもとに晒した。保険料の内訳なんて、それまで一般の人は全く知らされていなかった。私も当時のライフネット生命さんの勇気にはとても共感しました。
岩瀬:ありがとうございます。ご著書の中で保険の話もされているので、いろいろとお調べになっているんですね。
菅井:お金を貯めるには支出を削っていく必要があるのですが、特に大きなところが4大固定費(住宅、保険、自動車、教育)で、保険を見直すことによって大きく節約ができるからです。
岩瀬:保険の節約ポイントはどこにあるとお考えですか?
菅井:比較することだと思います。保障が同じなら安いほうがいいですよね。みんな、大根や味噌なんかの日用品はチラシを見て比較検討するのに、なぜか保険のような商品は情緒的なところで決めてしまう。「長く説明してくれたから」とか。住宅や自動車も似たところがありますね。本来ならば、支出の大きな固定費こそじっくりと比較検討すべきです。
岩瀬:著書の中で「終身保険1000万円にまず入りましょう」とお勧めされている理由を教えてください。
菅井:貯蓄性が高いからです。終身死亡保険は、貯金の意味合いが強い保険なので、強制的にお金が貯まっていきます。保険というのは、みなさんなぜか「入らないといけないもの」という先入観を抱きがちです。保険も大事ですが、若いうちはまずお金を貯めることが先ですから、終身保険であれば、ベースの貯金を作ることができるということですね。その上で、結婚して子どもができた時など、人生の転機に定期保険を加えると、貯蓄と保障のバランスがうまく取れるのではないかと思います。その際、どの定期保険を選ぶかという点においては、手数料の安いインターネット生保がいいと思います。
■お金を追うな。信用を追えばお金は付いてくる!
岩瀬:菅井さんは今、不動産オーナー、そして喫茶店オーナーという二つの顔を持ってらっしゃいます。これからは作家活動や講演活動なんかもされていくと思うんですけど、どうして、メガバンクという安定した職場を辞めて、リスクの高い道を歩もうと思ったのですか?