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近年、スマホやパソコンから医師に相談できるサービスが増えていますが、サイバー・バズ社が運営するDoctors Me(ドクターズミー)は専門家が答えてくれる医療(ヘルスケア)Q&Aサービスは、医師だけでなく、栄養士や薬剤師、獣医など、約300人がユーザーの健康相談をオンラインで受付けています。ペットも含む、多種多様な質問に平均30分で専門家が回答します。ライフネット生命では5月20日よりご契約者さま向けに無料提供を行っています。

※健康相談サービス「Doctors Me(ドクターズミー)」をどうぞご利用ください→現在はサービスが変更されています。詳しくはこちら

どうして、このようなサービスを始めたのか。ドクターズミーを立ち上げた、サイバー・バズ社の寺田佳史さんに聞いてみました。

■ネット口コミの時代だからこそ、専門性が求められる

――サイバー・バズ社はもともと、インターネットの広告代理事業やメディア事業を行っています。そんな企業が、どうして健康相談サービスを提供することに?

寺田:もともと弊社はソーシャルメディアを用いたマーケティングを強みとしており、広告施策やメディア運営においては、一般の人の口コミや情報をどうやってウェブ上に反映していくか、という点がよく問われます。そのため、Facebookやブログなどに投稿されている声を拾って、今何がユーザーから求められているかを分析する機会も多くあります。その中で、ここ数年、お互いの知識を共有するような一般の人による口コミサービスが広まっていく一方で、専門家による信頼性の高い意見がより求められていることがわかってきました。

特に医療や健康に関する悩みでは、ネット上にいろんな意見があふれているけれども、どれが本当かわからない。素人の口コミが増えれば増えるほど、「医師の的確な意見を聞きたい」というニーズが高まっていると感じたんです。

――サービスの立ち上げにあたり、医師の方々はどうやって集めたのですか?

寺田:私の弟が医師で、そこから人づてに聞いていきました。ウェブサービスの会社ですが、スタートまではすごく地味な作業をしていましたね(笑)。

2013年8月にサービスを開始したのですが、その時点では30人の医師に参加していただきました。そこから1年ほどで、現在約300人の方に協力していただいています。

――ひと言で医師といっても、ドクターズミーは薬剤師やカウンセラー、獣医といった幅広い専門家をそろえています。

現在は7ジャンルの専門家をそろえる

現在は7ジャンルの専門家をそろえる

寺田:実際に相談を受け付けてみると、医師が答えられない質問も多かったんです。「この市販薬は飲んでいいのか?」といった薬に関するものや、「最近、どうも落ち込みがちで……」といったメンタルの調子に関するものまでありました。ユーザーのニーズに合わせて、新しいジャンルの専門家を増やしていったんです。

■育児の悩みが、サービス誕生のきっかけ

――ウェブ上で専門家の意見の価値が上がっているとのことですが、マーケティングの観点からだけでなく、ご自身がそうしたことを実感した経験は?

寺田:これは私がドクターズミーを企画した理由のひとつでもあるのですが、2歳になる娘がいるんです。それで今って、子供の具合が良くないときは、まずネットでどんな病気か検索してみたり、掲示板に「こんな症状なんですけど、どう思いますか?」と投稿してみたりしますよね。妻もよくやっていました。

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でも、先ほども言ったように、ウェブ上にはものすごい量の口コミがあるから、どれが正しくて何が間違っているのかわからないんです。しかも症状で検索すると、深刻そうな病気ばかり出てきて、かえって不安になってしまう。

――特に幼児を抱えたママは、子供の病気に敏感になりますからね。

寺田:そうです。しかも、小児科は混んでいることが多いから、「なんとなく調子がおかしいんですけど……」って気軽に病院に連れていけないじゃないですか。それでウェブ上で医師に相談できればいいのにな、と思ったのが企画のきっかけですね。

――ママの不安を緩和してあがたかったと。

寺田:だから立ち上げ時はけっこうターゲットを絞っていて、若いママ向けのサービスといった印象が強かったと思います。今でもママ向けの情報は厚くしていますよ。

■ドクターズミーの「使い方」

――ドクターズミーで多い質問って、どんなものですか?

寺田:う~ん、けっこう万遍なく来るんですよね。だから、専門家のジャンルもどんどん増えている。匿名ですから、性の悩みのような聞きづらい質問も来ますね。

妊婦による質問の一例

妊婦による質問の一例

ただ、このサービスを始めてみて思うのが、今って、ママが孤立しているんだなということです。

――「孤立」というと?

(次ページ)目標は「主治医を持ち歩く」こと