14123002_1

オンラインで健康相談ができるサービス「ドクターズミー」。約300人の医師や薬剤師、カウンセラーなどが、ユーザーの悩みに答えてくれます。同サービスの最大の特徴は、質問から回答まで平均30分というスピード感!

多様なジャンルの専門家をそろえながら、これだけの仕組みを生み出せた秘訣とは? ドクターズミーを運営する、サイバー・バズ社の寺田佳史さんに聞きました。
(前編はこちら)

■月1,000件以上の質問に100%答える

14123002_2

――インタビューの前編では、サービス立ち上げの経緯をうかがいました。2013年8月のスタートから1年半ほど経ちますが、現在の利用者数はどのくらいですか?

寺田:月額300円の有料者数は1万5,000人ほどです。女性の比率が非常に多いですね。

――質問はどのくらいあるのでしょう?

寺田:月に1,000件以上です。ただ、健康の“相談”サービスですので、1回の回答で終わらず、ひとつの質問に対して、医師とユーザーの間で何度もやり取りがあることも珍しくありません。これは月額制で何度でも相談できる仕様にしている理由でもありますね。

――サイトを見ると、それぞれの質問に応じて、かなり親身に医師の方々が答えていますよね。

寺田:オンラインで病気を断定することはできないのですが、それでも、「不安なら病院に行ってください」だけでは相談する意味がないですからね。「できるだけ相手の不安に寄り添って、回答してください」とお願いしています。サービス開始当初は、もっと医師の回答はドライなのかと思っていたんです。実際はとても親身に答えてくださって、ありがたいですね。

ユーザーからも、「先生の回答が丁寧でうれしかった」という声がよく寄せられます。

14123002_3

――質問に対する回答率はどれくらいなのでしょう?

寺田:今のところ、100%回答しています。返答がない、といったものはありません。

――それはすごい! しかも平均30分で回答していると。そのスピード感と回答率は、どのような仕組みで成立しているのですか?

■女医さんから「こんな仕事を待っていた!」

寺田:ドクターズミーでは、9時~24時で回答する医師のシフトを組み、常に待機してもらっています。だから、医師への報酬も時給計算なんです。

こういうオンラインの相談サービスって、「1回答あたりいくら」という仕組みになりがちなんです。でもそうしてしまうと、回答数を稼ぐほうに意識がいってしまい、ひとつひとつの回答が雑になる可能性が高いと思いました。「専門家による丁寧な回答」が命のサービスなのに、それではマズい。だから事業の立ち上げ時から、シフト制で運営しています。

――ただ、それだと固定費が大きくなり、利用者が増えていくまで運営負担が大きいですよね。それでも、シフト制にこだわりたかった?

寺田:的確なアドバイスはもちろんなのですが、ユーザー目線で考えたとき、やっぱり嬉しいのは先生に親切に対応してもらったときだと思うんです。これは実際の病院の医師でも一緒ですよね。健康に関する相談って不安がベースにあるので、まず、そこを緩和してあげることが重要。それには、丁寧な対応を生み出す仕組みを作るしかないと考えました。

――ドクターズミーのほかにも、類似の医師相談サービスはあります。シフト制の背景には、競合の存在も大きかった?

寺田:それはもちろん。ドクターズミーも他社のサービスをベンチマークにしています。医師の登録数では後発の弊社はとても敵わない。だから、回答の速度と質で差別化してなくてはと思ったんです。

それにシフト制は、医師の方々からも好評なんですよ。

(次ページ)医師からの意外な反応