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■4.具体的な「エピソード」や「数字」を入れる

「話には、なるべく具体的なエピソードや数字を入れるようにします。その人にしか語れない体験など、具体例を引き出すと独自性が出ますし、説得力が増します。また、ストーリーがあった方が読者の記憶にも残りやすくなります」

例(1) エピソードなし
A社長は、社員教育が大切だと言っていました。

例(2) エピソードと数字あり
A社長は、元暴走族だった社員を引き連れて、みずからも、現場に出ています。
彼らとともに、毎日50件の飛び込み営業をしながら、お客様満足の大切さを教えているのです。

■5.「型」にはめ込む

「全体の流れを『型』にはめ込んで考えると、文章が破綻せず組み立てられます。僕は大学生に文章のアドバイスをしていたことがあるのですが、この方法がもっとも効果があった気がします」

たとえば、「主張」→「理由」→「具体例」→「提案」という型にそって文章を書いてみると、このようにわかりやすくなります。(文章は全て例文です)

(1)主張
これから「納豆の効用」についてお伝えします。夏場は、「納豆」をたくさん食べましょう。

(2)理由
なぜなら「納豆」に含まれるナットウキナーゼは、夏の暑さによる腸のダメージをふせいでくれるからです。

(3)具体例
プロボクサーの亀田興毅選手は、コンディションを保つために、毎朝、納豆を食べています。
また、週1回以上納豆を食べる人は、「68%」という結果も出ています(全国納豆協同組合連合会2013年「納豆に関する調査」より)。

(4)提案
週に2回は納豆を食べるようにしましょう。
ニオイが苦手な人は、キムチ、野沢菜、マヨネーズを混ぜると、食べやすくなります。

“生命保険をわかりやすくする”ことを標榜する保険会社として、改めて文章のコツを学びなおす貴重な機会となりました。

<プロフィール>
藤吉豊(ふじよし・ゆたか)
フリーランス編集者/ライター。フリーランス4名による編集ユニット「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。編集プロダクション「東京ホットライン」にて編集・執筆に従事。退社後、「マガジンメーカーズ」(現・交通タイムス社)にて、自動車専門誌『スーパーVIPバン』と『オートファッションimp』の編集長を歴任、2001年からフリーランスに。文化人、経営者、アスリート、グラビアアイドルなど、インタビュー実績は2,000人以上。2006年以降はビジネス書籍の編集協力に注力。大学生の文章指導なども行っている。

<クレジット>
文/ライフネットジャーナル オンライン編集部
撮影/鈴木慎平