小銭と貯金箱
消費税が5%から8%へと3%の増税は、フトコロにどれ程影響があったのか、もしくはなかったのか…。消費税が8%になって1年経ったいま、ライフネット生命のアンケート調査から、「消費増税から1年。2015年、今年こそ見直したいものに関する調査」をご紹介します。

【調査概要】
 [調査期間]2015年2月11日~2月16日
 [調査対象]20~59歳の男女
 (ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする)
 [調査方法]モバイルリサーチ
 [有効回答]1,000名

調査の結果は…

  • 2014年4月以降、「所得減った」4人に1人。一方で、「支出増えた」6割
  • 耐え忍ぶ“ガマン型節約”が上位独占! 1位「外食・飲み会」 2位「衣類・雑貨」
  • 節約がもたらす意外なメリットも!?「家族で食卓を囲む回数が増えた」ほか
  • 消費税10%に向けて見直したいもの、通信費に注目

■8%への消費増税から1年。家計のやりくりはどう変化した?

2014年4月に消費税が8%へ増税されて約1年、家計にはどんな変化があったのでしょうか。当調査によると、≪所得≫については、「増えた」が1割(12.0%)に対し、「減った」が2割半(26.8%)で、どちらかというと減少傾向にあるようです。

一方、≪支出≫については、「増えた」が6割(63.0%)となりました。増税はもちろん、昨年は円安の進行による値上がりもあり、これらが支出の増加に影響しているのかもしれません。

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■消費増税以降、どのようなことを見直した?

昨年4月以降の家計のやりくりとして、何を見直し節約したかについて聞いたところ、「外食・飲み会費」(55.8%)がもっとも高くなりました。以下、「衣類・雑貨費」(45.1%)、「家庭の食費」(40.9%)、「旅行などの娯楽費」(35.9%)、「水道光熱費」(29.7%)の順に割合が高く、日々の生活で何かを我慢する“ガマン型節約”が上位5項目を占めました。

他方、「通信費(パソコン・携帯電話)」(13.5%)、「車(バイク)の維持費」(9.3%)、「生命保険料」(7.6%)、「住居費(ローン・家賃)」(3.5%)は1割半以下にとどまり、一度見直せば節約効果がしばらく継続する“スッキリ型節約”を実施した方は少ないようです。

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実際に見直して節約したものがある方(817名)に、見直しの具体的な行動の一例を自由回答で挙げてもらったところ、工夫を凝らした節約術から、耐え忍ぶ節約まで、様々な回答がありましたのでいくつか紹介します。

“ガマン型節約”
「食料品は特売の品を買う」(40代女性)
「食材の買い溜めをやめ、使い切るようなメニューにしている」(50代女性)
「飲み会の参加を減らした」(40代男性)
「お風呂の残り湯で洗濯する」(30代男性)
「トイレの水は2回目で流す」(40代女性)
「夫婦で台湾旅行を予定していたが取りやめた」(50代男性)

“スッキリ型節約”
「住宅ローンを借り替えた」(30代男性)
「生命保険と自動車保険を見直して、掛け金の安いものに変えた」(50代女性)
「格安SIMへ移行した」(40代男性)

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■節約による思いがけない効果

節約をした結果として“お金以外の点で良い方向に変化した経験”について聞いたところ、「レジャーとしての外出が減り、家で家族といる時間が増えた」(50代女性)、「家族で食卓を囲む回数が増えた」(20代女性)など、節約に一丸となって取り組むことで、家族関係が良くなったという声が多く挙がりました。

健康的な生活に変化したとの回答もあり、「外食が減り、高カロリーの食事が少なくなった」(50代女性)、「タクシーに乗らずに歩くようになったので健康的になった」(20代女性)など、外食費や交通費の節約が良い影響をもたらすことがあるようです。さらに、「食事の見直しで、健康になり体型も改善された」(20代男性)など、ダイエットにつながったとの回答も挙がっています。

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■「消費税10%」に向けて、今年見直したいものは?

2017年4月には消費税10%への増税が予定され、昨年4月の8%への増税同様に、家計に対して影響を及ぼすことは想像に難くありません。「消費税10%」に向けて今年(2015年)、見直して節約したいと思うものについて聞きました。

最多回答は「外食・飲み会費」(59.3%)で、以下、「衣類・雑貨費」(43.3%)、「家庭の食費」(42.6%)となりました。先を見据えた節約としても、“ガマン型”が主流のようです。
他方、“スッキリ型節約”のなかでも大きな効果を得やすい「生命保険料」(9.1%)や「住居費(ローン・家賃)」(6.1%)は、1割未満にとどまっています。

昨年4月以降に実際に見直して節約したものと比較すると、今年見直したいと回答した割合が5ポイント以上高かったのは、「水道光熱費」(見直したい37.4%、見直した29.7%)、「通信費(パソコン・携帯電話)」(同24.5%、13.5%)、「車(バイク)の維持費」(同14.6%、9.3%)の3項目で、特に「通信費」は11.0ポイント差となりました。今年は「通信費」にも注目です。

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文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部