15051501_1-2日本経団連が「採用選考に関する指針」を発表し、新卒採用選考を8月1日以前に開始することを慎むよう企業に求めました。それにより、選考時期が大きく後ろ倒しとなりました。就職活動を行う学生は、就活スタイルの変化を余儀なくされ、戸惑いが大きいと予想されますが、採用活動を行う企業側にはどのような影響があるのでしょうか。ライフネット生命が実施した「2016年度新卒採用関係者の意識調査」をご紹介します。

【調査概要】
 [調査期間]2015年4月9日〜4月10日
 [調査対象]2016年度新卒採用を実施する(または実施を検討している)企業に勤め、
 採用活動に関与している25〜59歳の男女
 (ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする)
 [調査方法]インターネットリサーチ
 [有効回答]500サンプル

調査の結果は…

  • 「辞退を見越して昨年度より多めに内定付与」4割
  • 採用関係者の3割が「就職留年は不利」と回答
  • 実態と考えにギャップあり? 「通年採用に移行すべき」8割

■採用関係者に聞きました。新卒採用選考の“後ろ倒し”、8月解禁の影響は?

企業側の対応状況はどうなっているのでしょうか。当調査によると、≪内定辞退を見越して、昨年度よりも多くの内定を出す≫については、「あてはまる」が4割(42.4%)となっており、昨年度までの選考方針を変更した企業が少なくはないようです。

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■就活の“都市伝説”、ウソ? ホント?

就活生が気になるのは、まことしやかにささやかれている“就活都市伝説”の真偽。“このような学生は有利だ、不利だ”という噂の真相を、採用関係者に聞いてみました。

日本における学生の採用は“新卒”のブランドが強く、新卒として就職活動をするためにあえて留年する“就職留年”という選択をする学生もいます。そこで、≪就職留年している学生は不利≫について聞いたところ、「あてはまる」が3割(30.2%)と回答しました。形式上は新卒であっても、就職留年はマイナス評価につながる、というケースは少なくはないようです。

また、≪6ヶ月以上の海外留学経験は好評価≫は「あてはまる」が4割(42.2%)、≪自社のインターンシップの経験がある学生は有利≫は「あてはまる」が5割弱(47.6%)という結果に。就職活動に向けた準備の一環として、海外留学やインターンを選ぶ学生は今後も増えていくのでしょうか。

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他にも、≪面接時のアルバイトやサークル話は好評価≫について「あてはまる」は5割(52.4%)、≪グループディスカッションでリーダーシップを発揮する学生は好評価≫について「あてはまる」は6割半(66.6%)となりました。一般的によく聞かれる“都市伝説”は、あながち間違いではなかったと言えそうです。

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■採用関係者のホンネ。日本の新卒採用はこうあるべき!

日本独特の新卒一括採用制度は、グローバル化にそぐわないなどの声もあり、国や企業は、雇用制度、人材育成制度の見直しを迫られています。実際に採用現場に立つ担当者たちは、現在の日本の制度にどのような意見を持っているのでしょうか。

≪企業は、新卒一括採用を止め、通年採用に移行するべき≫については、「賛成」が8割(80.2%)と、大多数を占める結果となりました。採用活動の実態と、現場関係者の心境には大きなギャップがあると言えそうです。

また、≪企業は、大学などの講義がある時間帯の会社説明会開催は控えるべき≫についても、賛成は8割(82.0%)となっています。多くの採用関係者が、学生の本業を妨げかねない時間帯の説明会開催に否定的であり、学業よりも就活を優先せざるを得ない実態に疑問を抱いているようです。

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採用選考開始時期の変更をきっかけに、企業の新卒採用がどのように変化していくのか。今後に注目です。

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<クレジット>
文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部