Famarryのサイト

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■フォトウェディングってどんなサービス?

──日本とアジアではウェディングの業態も違っているんでしょうか?

藤井:日本では会場をまず探して、会場に指定されたドレスなどその他商材を選ぶような流れになっています。アジアでは会場は単体で決めて、その他商材も自分で選びます。ドレスと写真の業態が一緒になっていて、ドレスを借りようと思ったら、フォトスタジオに行きます。前撮りの写真撮影と、当日のドレスの貸し出しがワンパッケージになっている場合が多いです。

──日本ではそういう業態はないと思いますが、となると、アジアのフォトウェディングを、なぜ日本で始めようと思ったんですか?

藤井:アジアから日本まで写真を撮りに来る人が増えていること、自分たちらしいウェディングをしたい人が増えていて今まで会場のおまけだった撮影商材にも、もっとこだわる人は増えるだろうと思っています。また、日本では今、婚姻組数に対して、結婚式を挙げる人が半分近くに減ってきているんです。「やらなくていいや」、という人が増えている中で、でも写真だけは撮りたかった、ドレスは着たかったという人は多いんじゃないかと。だから、アジアのように、もっと良い写真を撮ることにこだわってもいいんじゃないかと思ったんです。

──日本は式場の選択肢はたくさんあれど、結婚式の形態自体は少ないと感じていました。限られた選択肢の中で、「やらない」を選ぶ人も増えてきちゃっているので、そういう人たちに、別の選択肢を増やしたい、と。

藤井:そうなんです。例えば結婚式は挙げなくても、ハネムーンには行ったりしますよね。それをただの旅行に終わらせずに、ちょっとしたウェディングの撮影をするだけで、すごく良い経験になると思うんです。それに、海外でドレス着て街を歩いていると、すごく祝福してもらえる。そういうのもひとつのエクスペリエンスになるかな、と。

──海外で挙式をして、日本でパーティーをする人が、最近は結構いたりしますけど、そういうのと近いんでしょうか?

藤井:そうですね。結婚式のあり方自体は、色々あっていいと考えています。今回私が紹介しているフォトウェディングのサービスというのは、その選択肢のひとつなんですけど、アジア諸国のカップルの写真熱は日本でも受け入れられると思っています。 ウェディング当日の写真にもこだわってほしいです。

日本だと、ドレスや写真など、すべての商材が会場に紐付いている場合が多いじゃないですか。特に写真となると、最後の最後に決めるもので、その段階ではすでに、見積もりが上がってきている。となると、「写真はセーブしよう」、「こだわる余力はない」、ってなっちゃう場合が多いと思うんです。でも、それまで一生懸命準備してきたのに、残った写真が、ケーキカットとか定番のショットが数枚……っていうのは、もったいない。もっとドラマチックに写真を残せたら、思い出もより素敵に、色あせずに残るんじゃないかな、と。

──フォトグラファーさんとか、業界的な実態っていうのはどうなんでしょう。

藤井:今までも20万円くらいは、会場を通して写真撮影に支払っていると思うんです。そのうち半分は会場に入っていて。残りはフォトスタジオに。そこからさらにフォトグラファーさんに入るのは、1〜2万円。もったいないですよね、すごく。持ち込み料はかかるかもしれないけれど、良いフォトグラファーさんを指名して、気に入った写真を撮ってもらった方が良いんじゃないか、って思います。

今までだと、会場だけにしか反映されていなかったこだわりが、他の商材に対してもあっていいと思うんです。もちろんドレスにこだわる人もいるだろうし、写真を重要視してもいい。私たちのサービスが、ひとつのきっかけになればいいなと思っています。

(後編に続く)

<プロフィール> 藤井悠夏(ふじい・ゆか)
シリア生まれ、日本育ち。中学時代はドバイ在住。2006年株式会社リクルートに入社。ゼクシィ営業部で2007年に年間MVPを受賞し、2010年に退職。その後ベトナムに渡り、現地法人にてベトナム人向けウェディングポータルサイトの立ち上げ事業責任者を務める。事業譲渡後、日経ブライダル企業の事業立ち上げ支援のために2013年にシンガポールへ移住。ブライダル関連のコンサルティングのほか、日本でウェディングフォトの撮影を希望するシンガポール人に日本の提携企業を紹介するサービスを行う。2014年10月、日本に帰国。株式会社Famarryを創業。

<クレジット>
取材/ライフネットジャーナル オンライン編集部
文/志村優衣

 

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