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■掃除の5大効果とは

また、掃除をすることでうまれる5つの効果も教えてくれました。

 ①精神的効果:気分がすっきりして、前向きになります。
 ②肉体的効果:「物が落ちてくる」など、身の回りの危険が減ります。
 ③経済的効果:「あれ持っていたっけ?」といったムダ買いがなくなります。
 ④時間的効果:ものを探している時間が削減されます。
 ⑤対人的効果:積極的にお客さんを呼べるなど、コミュニケーションが生まれます。

逆に言うと、掃除をしなければ、気分は冴えないし、無駄なお金はかかるし…と、マイナスなことばかり起こります。会社であれば、誰かに怪我をさせてしまう危険が生じるなど、他人へもマイナス効果が波及してしまいます。これらの効果を意識しておくことが、「掃除をしよう」という気持ちにつながります。

■続けられる人になろう! 習慣化のコツ

さて、掃除に対する意識が変わったところで、最後に掃除を習慣づけるためのコツを押さえておきましょう。

「モノを減らすコツは、それを過去1年の間に使ったか、今後1年のうちに使いそうかを考えてみることです。そして、前後2年間使わないものは、おそらく一生使わないので、捨ててしまいましょう。モノを家に置いておくと、それが占める面積の分、家賃がかかっています。所有するということは、それだけでコストがかかるということを覚えておいてください。モノを大切にするあまり、自分を粗末にしてしまっている可能性があるのです。

また、掃除が続かない人は、10秒でいいから毎日やることを目標にしてください。10分続けるのは難しいですが、10秒ならできますよね。それに、意外と1日に何度もやれちゃったりするんです。『10秒掃除を続けてる自分ってえらい』『2ヶ月も続けててえらい』と、自分を褒めてあげる。まずはそんなところから始めてみてください」

一度に全てやろうとするのではなく、小さいことを短い時間でいいから毎日続けることが大切です。習慣が環境を変えていきます。早速、身近なところから取り組んでみてください。その一歩が、あなたの人生や会社の未来につながっていくはずです。

<プロフィール>
今村暁(いまむら・さとる)
一般財団法人日本そうじ協会理事長。北海道大学法学部を卒業後、日本長期信用銀行を経て独立。「感性教育」「習慣教育」をモットーに、数多くの企業コンサルティング、経営者・管理職のコンサルティングを行う。2011年からは一般財団法人日本そうじ協会の理事長に就任し、「掃除という環境整備の技術を高めることと、良い習慣づくりをすること」を目的に活動している。主な著書に、「10秒朝そうじの習慣」(ワニブックス)、「そうじ習慣手帳」(ワニブックス)、「習慣力」(角川書店)など。各メディア出演、講演など多数。
一般財団法人日本そうじ協会

<クレジット>
文/志村優衣