15082802_2ライフネットジャーナル オンラインは本日、8月28日で1周年を迎えます。このメディアがどんなことをお伝えしていきたいのか。今後、どんな記事をみなさまのもとにお届けしたいと考えているのか。この節目にあたるタイミングで、編集部メンバーが思い出深い記事ご紹介をしながら、振り返っていきたいと思います。

弊サイトの3つのテーマ「人生」「仕事」「お金」のなかから、今回はまず「人生」をテーマにした記事について取り上げます。日々の生活のちょっとしたヒントになるお役立ち情報だけでなく、人生の先輩や各界で活躍する人の言葉から明日の活力をもらえる、そんな記事について紹介していきます。

■人生の選択に迷ったときに覚えておきたい言葉を伝えたい

人生の目標って、何でしょうか。お金をかせぐこと、成功すること、人の役に立つこと…。人によってさまざまな目標があるでしょう。しかしそれがなんであれ、やりたいことをそのまま素直に選択するのは難しかったりもします。そんなときにヒントをもらえるのが、こちらの記事です。

世界で活躍する人の共通点は?
国連職員・田島麻衣子さんインタビュー

もともと監査法人で忙しい毎日を送っていた田島さんは、「人生は1回しかないと思い、自分の未来を修正する決心」をし、NGOに転職。そこから国際連合を舞台に、自分のやりたいことに集中する選択をしました。

そこまで強い決意を持ち、実際に行動に移すことができたのはなぜだったのか?その理由が、以下のコメントからうかがえます。

田島:(国連で働く仲間の方々が)みなさん本当にポジティブで自己肯定感が高い。自分をかけがえのない存在だと思っているのだと思います。だからこそ、いろんなところにも行けるし、いろんな人を受け入れることができるのかなと思います。

つまり、自分で自分の底力をポジティブに認める「自己肯定感」が、世界で活躍する人たちの原動力になっているというのです。

人生の岐路に立ったとき、自信をもてず、自分がやりたいことを真っすぐ選べないこともあります。しかし、自己肯定感を持ち、自分の選択に責任をもって人生を歩んでいけば、どんなことでも実現できるのかもしれない――そう思わせてくれたインタビューでした。


 

反対に、自分のやりたいことを選ぼうにも、自分の意思とは関係のない理由からできないこともたくさんあります。そんなときに、ヒントをもらえるのがこちらの記事です。

好きなことより得意なことを仕事にしなさい/小野田隆雄氏×出口治明
小野田隆雄(コピーライター)、出口治明(ライフネット生命代表取締役会長兼CEO)対談

「超就職氷河期」と呼ばれる時代に就職した自分としては、高度経済成長期に就職したおふたりの対談を読むと、昔はおおらかな時代だったのだと感じますが、そんな時代でもやはりすべての人がやりたいことをやれるわけではありません。そして、このおふたりも今の仕事を最初から「天職だ」と感じていたわけではありません。

編集者になろうと思って出版社や通信社を受けたものの、すべてに落ちてしまった小野田さん。そのとき、たまたま目に入った資生堂の宣伝文案制作者の募集に応募。コピーライターになれたのは、「目的を持って意識して積み上げたのではなく、瓢箪から駒」だったと言います。

もともと文章を書くのが好きだった小野田さんは、本来の「やりたいこと」だった編集者ではなく、「得意なこと」だった文章で生きていくことになります。それも「広告は商品を表現する仕事。本当に好きなものだけを書いていたら売れなかった」と振り返ります。

「司法試験の滑り止め」で保険会社を受けた経験を持つ出口もまた、次のように語っています。

出口:僕自身はこの仕事が本当に向いていたかどうかは自信がない。でも、人間の人生ってそんなものじゃないですか。僕は歴史おたくですが、歴史をみてもほとんどの人はやりたいことをやらずに死んでいきます。それが普通の人生。

どんなに大好きでも得意じゃないことを選ぶと、パフォーマンスが出ないから楽しくなくなりますよね。得意なことを考えながら、勢いで進んだ方が飯を食える確率は高い。たまたまご縁があったところに入って、面白かったらそのまま行けばいいし、そこで食えないんだったらチェンジすればいいんじゃないかな。

世間では「好きなことを仕事に!」とよく言われますが、おふたりの話からは、「やりたいことばかり考えなくてもよいのだ」という、人生に対して振り幅のある、おおらかな観点を与えてもらいました。

■ちょっとした行動で人生は豊かになることを伝えたい

ライフネットジャーナル オンラインの記事がきっかけで、自身の生き方を見直す機会もありました。

目指せ、ミニマリスト?! 遅れてやってきた断捨離ブーム
社員ブログより

断捨離やミニマリスト(ものを持たない)に関する書籍が売れているようですが、私もこの記事をきっかけに、断捨離にチャレンジしてみました。

肝心な実践方法ですが、「いきなりすべて捨てる」「もの(例えば自分の好きなファッションやガジェット類)をまったく買わない」のは、さすがに精神衛生上ハードルが高いと感じ、自分なりの「ルール」を決めてみることに。

・1年使っていないものは、今後も使う可能性が低いので捨ててもよいと思う
・バーゲン品を手に取る際には、それが定価でも欲しいと思うか考える

この2つのルールをもとに、クロークを点検し、1年着用していない服をすべてピックアップ。該当した服は古着屋さんに売りに行きました。これにより家の中が整理されただけでなく、今年の夏バーゲン期間では、無駄な買い物をせずに過ごすことができました。

ちなみに古着屋に服を持ち込んだとき、たまたま人気のブランドジャケットを持っていたので、思った以上に高値で引き取ってくれたのはうれしい誤算でした。

こんな「ちょっとしたこと」でも気分はリフレッシュし、人生は豊かになります。ライフネットジャーナル オンラインではほかにも掃除に関する記事があり、次にご紹介しますので、あわせてチェックされてみてはいかがでしょうか。


 

自分の人生にとって大きな問題は「何事も三日坊主で終わってしまう」ことでした。日々の「掃除」だってそうです。しかし、日本そうじ協会理事長・今村暁さんのインタビューが自分にとってブレイクスルーとなりました。
成績アップ、業績アップの理由は掃除にあった!? 掃除がもたらす奇跡の効果とは

掃除がもたらす5つの効果が“できる人”をつくる! 日本そうじ協会理事長・今村暁さん

「三日坊主」を避けるために必要なのは、

「10秒掃除を続けている自分ってえらい」(日本そうじ協会理事長・今村さん)

と自分で自分を褒めてあげること。つまり、自分の行いに対して「ポジティブな自己肯定感」を持つことなのだと気が付きました。完璧であることよりも、継続することが大切ということです。

完璧にやるか、やらないか。1か0かの選択をするのではなく、ちょっとでも(それが10秒でも)やってみて、自信を付けてあげることが大切なんですね。

■新しい考え方や社会の動きを伝えたい

今はちょっとした「弱いつながり」が重要になっている時代です。それは企業の採用活動においてもそうです。

採用活動のトレンドは「出会い系」から「お見合い」へ
『ムダ0採用』著者・宮崎智之さんインタビュー

「多くの人がフェイスブックなどに職歴や現在の仕事に関する情報を公開している今、ソーシャルメディアを通じたアプローチを行えば、コネがないところにコネを作ることができるようになります。あるいは、最初は名刺交換をした程度の関係であっても、ソーシャルメディアを利用すればゆるくつながり続けることができます。

こうした弱いつながりでも、求職情報について興味を示してくれた人としっかりコミュニケーションしていけば、強い関係性を作ることが可能です。実際、すでに『つながり採用』に熱心なIT業界では、優秀なエンジニアのところにさまざまな企業の採用担当者から、『ちょっと会いませんか』という連絡がSNSを通じてしょっちゅう届くそうです」

実際、自分もSNS上の「弱いつながり」で転職したことがあります。自分にとって非常にうまくいった経験でした。自分にマッチした会社と出会えたのだと思います。

初めは漠然とした不安がありましたが、それでも飛び込んでみればうまくいくもの。チャンスがあったらとりあえずつかんでみることが、人生を好転させるきっかけになり得るのではないでしょうか。

■人生を好転させる3つの原動力

最後に紹介したいのは、こちらの記事です。

ソニーを辞めて、腎臓病・透析情報サイト「じんラボ」を立ち上げた理由
株式会社ペイシェントフッド代表・宿野部武志さんインタビュー

自身も幼い頃から腎臓病に苦しみ、人工透析を続けてきた経験から、「慢性腎臓病・透析患者や家族、医療者の双方をサポートすること」を目的にした会社を立ち上げ、疾患知識や最新情報の発信などを行うウェブサイト「じんラボ」や、透析治療を受けている患者が検査数値の記録、自己管理などを行えるウェブサービス「とうせきくん」などのサービスを運営する宿野部さん。

そんな宿野部さんの言葉からは、「どんな仕事にも、その背景には働く人の人生があるのだ」ということを当たり前のことを再確認させられます。

「やはり私がやるべきことは、腎臓病と透析で悩み苦しんでいる人を助けること。それ以外にないと思い、起業したのがペイシェントフッドです。単純に思いだけで突っ走りました(笑)。よく『NPOにしなかったのはなぜですか』と聞かれるんですが、私としては、株式会社にすることで、患者の自立やアグレッシブなイメージを作りたかった。『人のやらないことをやれ』というソニーでの教えも頭の中にありましたね」

宿野部さんは今も変わらず人工透析を受けながら、会社を経営しています。しかし、その言葉からは苦しさは感じられず、むしろ「自分の底力をポジティブに認め、さらに前に進もう」とする強い意志が感じられます。

・自分をポジティブに認めてあげる自己肯定感
・完璧を求めるよりまず行動してみる
・将来への不安より、とりあえずやってみる挑戦心

ライフネットジャーナル オンラインが配信してきたこれまでの記事からは、こうしたメッセージが伝わってくるかと思います。今後も読む方の人生にとって学びのある記事をお届けしていくだけでなく、有名・無名を問わず、実際に挑戦し続けている方々を取り上げ、ささやかながら応援していきたいと思っています。

<クレジット>
文/ライフネットジャーナル オンライン編集部