(写真はイメージです)

「紛争地域」「難民」など、言葉を聞くことは多いけれど、どこか遠い国の出来事としてとらえがちなのではないでしょうか。しかし、それらの問題を生む原因の一つは、先進国の経済体制にあると言われています。日本に暮らす私たちともつながっている問題の背景を学び、考え、公正な地域社会の実現を目指して活動するNPO法人開発教育協会(DEAR)の小口瑛子さんにお話をうかがいました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て加筆転載しています

■開発教育協会(DEAR)とは?

開発教育の推進・普及を目的として、教材作成や出張講座、政策提言などを実施している非営利団体です。『開発教育』というのは、格差・環境・紛争・貧困など、日本や世界で起きているさまざまな問題の解決に取り組むための教育活動のことで、問題を「知り・考え・行動する」ことを教えます。“世界で起きている問題”と“自分たちの学びの場”をつなぎ、そういった問題を自分のこととして考えるきっかけ作りを大切にしています。

事務局の小口瑛子さん

■学びの場には、どのような場所がありますか?

2017年9月には、世界の課題に出会い、学び、行動していく場として、渋谷区広尾の聖心女子大学敷地内に「BE*hive(びーはいぶ)」をオープンしました。開発教育に関連する展示・ワークショップスペースを展開しています。 また学びの場を作る人々を支援したり、さまざまな団体や学校に出前授業に行くこともあります。

■BE*hiveでは現在、どのようなプログラムを用意していますか? 

常設展として、2019年3月まで「難民・避難民」をテーマにパネルや写真の展示、映画の上映、ワークショップを行っています。小テーマは「日本にいる難民」「中東の難民」「アジアとアフリカの難民」と変わっていますが、「自分がもし難民になったら」、「自分の隣に故郷から逃れた人が来たら」など、「難民」という存在を身近に感じられるようなスペースです。

■難民問題は、私たちともつながっているんですね。

まず、難民を生み出している背景と私たちのつながりがあります。 例えば、多くの難民を生み出す紛争が勃発し、長引いたり悪化したりしている問題に、日本を含む国際社会の経済は大きくかかわっているのです。次に、日本に住んでいる難民の人たちと私たちのつながりもあります。日本には、3万人の難民が住んでいると言われていて、つまり私たちと同じように生活している難民が日本全国にいるのです。以上の2点を直接的、間接的な難民問題とのつながりだと考えています。

■BE*hiveの利用者からの反響はいかがですか?

一番反響があるのは、日本に住む難民の方々のエピソード紹介のコーナーですね。故郷を逃れ日本に来た彼らが、「なぜ故郷を逃れなくてはならなかったのか」「日本に来て苦労したこと、どのように生活しているのか」「私たち日本人に望むことは何か」ということを、写真とともに紹介しているスペースです。

■今後、どのような場として展開したいと考えていますか?

入場無料で、学生だけでなく一般向けにも開放しているスペースですので、まずは多くの人に来てもらいたいと思います。イベントも多く実施しているので、より多くの人が難民問題に興味を持ったり、考えを深めたり、身近に感じたりできるスペースにしていきたいと考えています。 開発教育協会の活動、そしてBE*hiveの詳しい情報は、ウェブサイトをぜひご覧ください。

<インフォメーション>
NPO法人 開発教育協会(DEAR)
●http://www.dear.or.jp/
●https://www.facebook.com/ngoDEAR/
BE*hive
●http://kyosei.u-sacred-heart.ac.jp/behive/