(写真はイメージです)

日本は四季があり、豊かな自然に恵まれた国だと言われます。決して広くはない国土ですが、各地域にさまざまな特徴があり、訪ねてみれば興趣に富んだ景色を見ることができます。それらをただ見るだけでなく、一歩進んで自然環境について考えてみたら、旅行はもっと充実したものになるかもしれませんね。地域固有の資源を生かした観光を推進するNPO法人日本エコツーリズム協会の高野千鶴さんにお話をうかがいました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て加筆転載しています

■日本エコツーリズム協会とは?

地域固有の歴史文化や自然環境を保持しながら、持続的に地域の活性化を図ることをエコツーリズムといいます。“エコロジカル”と“ツーリズム”を組み合わせた造語ですが、当協会は、そのエコツーリズムの普及に取り組んでいます。旅行者がガイドの案内によって、自然の不思議さに触れたり、自然とともにある暮らしにはぐくまれた文化や歴史に触れたりして、訪れた地域をもっと好きになれば、その気持ちが資源の保全につながると考えています。

高野千鶴さん

■具体的にはどのような活動をしていますか。

各地域の個性豊かな資源を生かしたユニークなツアーを行っているガイド事業者は多いのですが、規模がとても小さいので、私たちが各地の情報を集めて紹介しています。また、地域全体で観光まちづくりとしてエコツーリズムに取り組んでいる自治体が、それぞれ抱えているさまざまな課題やその解決策を共有できるように取り組んでいます。

現在、特に力を入れているのは、訪日外国人のエコツアー参加者をふやすことです。各地のガイド事業者は、外国からの参加問い合わせに対応しきれていないところがあります。そこで当協会が、外国の旅行会社と各地のガイドとの間に入り、もっと日本の隅々まで外国の人が行かれるよう調整し、東京、京都、富士山だけではない、奥深い日本の魅力を紹介したいと思っています。本物を知ってもらうのにエコツアーはとても良い機会だと考えているのです。

■春から夏の時期にお薦めのエコツーリズムな観光ツアーを教えてください。

例えば次のようなツアーがありますよ。

●長野県の自然湖でカヌー体験 おんたけアドベンチャー(2018年7月上旬の大雨による被害で休業中) 

●山梨県富士河口湖町の樹海ネイチャーツアー 

●千葉県館山・南房総にある沖の島という無人島でのツアー 

■エコツーリズムを身近に感じることができるイベントも開催していますね。

2018年4月には、渋谷のOnJapan CAFÉ & というカフェで、「里山をクリエイティブにつかおう!」と題したイベントを開催しました。ゲストスピーカーに石坂産業の若月愛美さんを招いて、里山の自然や暮らしを体験できるという、石坂産業が行っている埼玉県三芳町の「三富今昔村」という活動を紹介してもらいました。

各種のツアーやエコツーリズムについては、ウェブサイトをぜひご覧ください。

<インフォメーション>

NPO法人日本エコツーリズム協会

http://www.ecotourism.gr.jp/