(写真はイメージです)

幼い子どもが病気にかかったり、障がいと共に生きることになったら、できるだけの治療や支援を受ける機会を提供して、未来へ向かって活動できるように手助けしたいものです。しかし一部アジアには、十分な支援体制が整わない国があるのが現状です。子どもたちが持続的な支援を受けられるように、病院の設立、運営や医療スタッフ養成まで幅広く活動するNPO法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー JAPANの永野絵美さんにお話をうかがいました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て加筆転載しています

■フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPANとは?

アジアの恵まれない子どもたちの医療支援を行う団体です。最初に、カンボジアの子どもたちの診療・治療を行うアンコール小児病院を設立し、病院での治療だけでなく教育、地域医療などさまざまなプログラムによりカンボジアの医療の向上に努めました。その後、2013年には隣国ラオスの子どもたちへの医療支援も開始しました。

■主な活動内容を教えてください

「アンコール小児病院」は1999年にカンボジアのシェムリアップに設立。2015年2月には、ラオスのルアンパバーンに「ラオ・フレンズ小児病院」を設立しました。これまでにカンボジア、そしてラオスで「医療、教育、予防」をプロジェクトの柱として活動し、1日平均70人、のべ1万人を超える子どもたちを診療し、持続性のある小児医療のモデルケースを作っています。

(NPO法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー JAPANの永野絵美さん)

■活動の一貫としてスタートしたクラウドファンディングについて紹介してください

2017年8月、ラオ・フレンズ小児病院において多業種のスタッフがチームを作り、ラオスで唯一の障がいがある子どもたちのためのクリニックを作りました。およそ100名の子どもたちが登録されていますが、専門的なケアを受けていない子どもは、まだたくさんいます。そこで、彼らを支援する体制を作るために「ラオスの障がいがある子供たちをキラキラの笑顔にしたい!」というプロジェクトをスタートさせたところ、400万円以上の寄付をいただいて2018年6月に成立しました。

■ラオスの小児医療の現状は?

途上国においては、緊急性が低い『障がい』に対する国の対策は十分ではありません。障がいがある子どもの家族は、『障がい』に関しての知識を得る機会もなく何ができるのかもわからないため、子どもに適切なケアが出来ずにいることが多いのです。

病院に行くのは、熱や下痢など病的症状が出たときであり、「障がいがあるから」はその理由になりません。また、せっかく病院を訪れても、発達や障がいに関して適切な診断ができない医療機関が多いので、病気の治療のみで帰宅させてしまい、その結果、子どもの家族は障がいに対する認識を得るチャンスを逃していることも多いという状態です。

■活動に対して、どのような支援ができるのでしょう

ラオスでは、発達や障がいの状況を個別に評価してケアをする「Development Clinic」をスタートさせましたが、地域に根ざした活動を継続して行うためには、ラオス人の人材育成にも力を入れる必要があります。

また、ケアを受ける人は歩行器や特別な座椅子、車いす、栄養剤や栄養補助食品などを必要とする場合もあります。

さらに、子どもが病院に行くための交通費の一部負担なども必要です。みなさんの寄付は、それらの費用に活用する予定です。 カンボジアやラオスの子どもたちの状況や、支援レポート、また寄付やボランティア募集について案内しているウェブサイトをぜひご覧ください。

<インフォメーション>
NPO法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー JAPAN

http://www.fwab.jp/
https://readyfor.jp/projects/LFHC-DevelopmentClinic