(写真はイメージです)

日本のボウリングの歴史は古く、1861年に日本で初めて長崎にボウリング場が開設されました。誰でも気軽に楽しめるこのスポーツは、レーンの長さや幅、ピンの大きさなどのプレイ環境が常に一定で、体の位置や動きの知覚などが重要な役割を果たしているので、視覚障害者に向いているスポーツだと考えられています。視覚障害者のボウリングが広く普及することを目指して、大会を開催し、選手の強化活動などにも取り組んでいる一般社団法人全日本視覚障害者ボウリング協会の会長、青松利明さんにお話をうかがいました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て加筆転載しています。

■視覚障害者ボウリングとは、どのようにして行われる競技ですか?

レーンのアプローチ上に方向確認のための「ガイドレール」を設置し、ガイドレールに触れた手と体の位置関係、腕の開き具合などで競技者が立ち位置を決定し、ガイドレールを手で触れながら助走し投球します。視覚障害者にとっては、立ち位置を決定してまっすぐに助走し、投球することは困難なので、このような方法が考案されました。障害の程度でクラス分けして競技します。

2017年に福岡で世界選手権大会を開催したのですが、そのときの優勝選手のスコアは、6ゲームの平均で、視力が最も高いB1クラスでは150、次のB2クラスでは210、さらに視力が低いB3クラスでは220でした。

会長の青松利明さん

■団体の活動として、競技大会を運営しているのですね。

2001年に「視覚障害者ボウリング・コングレス・ジャパン」として活動を開始した当法人は、2004年1月には名称を「全日本視覚障害者ボウリング協会」に変更、さらに2016年からは一般社団法人として活動しています。視覚障害者ボウリングの国内統括団体であり、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会の登録団体、日本パラリンピック委員会の加盟団体です。

事業の一つとして視覚障害者ボウリングの全日本選手権大会を2002年に初めて開催し、2018年には第17回大会を迎えました。また、選手がより活躍できる場を増やそうと、2002年から国際大会に選手団を派遣し、これまでに数多くのメダルを獲得してきました。2017年には福岡で日本初の世界選手権大会を開催し、ボウリングを通じて世界の方々と協力し、無事運営を成功させることが出来たと考えています。

■2018年にはクラウドファンディングを実施しましたが、どのようなプロジェクトなのでしょうか。

視覚障害者のボウリングについては、まだ社会的な認知度が低く、競技人口も少ないのが現状です。この状況を打開するために「視覚障害者ボウリングを1万人の人に見てもらう!」を目標に、第17回全日本視覚障害者ボウリング選手権大会のインターネットによるライブ中継を企画しました。この中継機材などの費用を募ってクラウドファンディングを実施し、800,000円あまりの資金が集まりました。

視覚障害者ボウリングという競技の詳細や、全国大会の情報や過去の大会の記録、また強化制度などについてもウェブサイトで紹介しています。2018年のクラウドファンディングは終了しましたが、こちらの詳細についてもぜひウェブサイトをご覧ください。

<インフォメーション>
●一般社団法人全日本視覚障害者ボウリング協会
●クラウドファンディング「視覚障害者ボウリングを1万人の人に見てもらう!」