(写真はイメージです)

心臓や腎臓、肝臓などの臓器が機能不全になり、移植でしか治療できなくなった場合に行われるのが臓器移植です。日本では、臓器移植の数は欧米に比べて少なく、数年から十数年も移植を待つ移植希望登録者がいます。また、多くの子どもが国外で移植手術を受けています。そんな日本で移植医療の普及啓発のために活動するNPO法人グリーンリボン推進協会理事長の大久保通方さんに臓器移植のいま、そして今後について、お話を聞きました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て加筆転載しています

■団体名にもある「グリーンリボン」について教えてください

グリーンリボンは、1980年代にアメリカで始まったリボン運動で、今では臓器移植のシンボルマークとして世界中で認知されています。日本でも、2002年に臓器移植患者連絡協議会がグリーンリボンバッチを作り、移植関係者が胸に付けて活動しています。グリーンは、新しい生命(いのち)の耀きを表し、リボンはドナー(提供者)とレシピエント(移植者)を繋ぐ絆を表しています。

理事長の大久保通方さん

■グリーンリボン推進協会はいつ発足したのですか?

臓器移植法改正(2009年)を目指して活動した人たちが、「今こそ一般市民が考える普及啓発活動が必要」と考えて手をつなぎ結成したのが始まりで、2016年に大阪府によりNPO法人として認定されました。

■臓器移植に関する日本の現状はどうなっていますか

日本の臓器移植の歴史は、欧米諸国に劣ることはありません。また技術的にも世界のトップクラスです。しかしながら提供者の数は、著しく少ないのが現状です。近隣の韓国、台湾に比べてもはるかに少ないのです。

■臓器移植普及推進月間である10月には、グリーンリボン推進協会もイベントを開催していますね

残念ながら、まだ一般のグリーンリボンの認知度は高いとは言えません。そこでグリーンリボン、そして臓器移植への理解を広めるために、2018年は10月14日に患者団体、市民団体、医療関係者などと協力して、東京の銀座でグリーンリボンパレードを実施しました。また、10月17日から21日まで、広島で「ひろしまグリーンリボンフェス」を開催し、移植医療に携わる医師の講演や、移植医療をテーマにした映画『あさがくるまえに』の上映などを通じて、グリーンリボンについて学べる機会を設けました。

■この活動を通して社会に投げかけたいのは、どのようなことですか

みんなで手を取り合って、大人だけでなく「小さな子どもたち」を救える日本を実現したいと私たちは考えています。そのためにも、まずは少しでもグリーンリボンと移植医療について知ってもらいたいのです。

臓器移植の現状やグリーンリボン推進協会の取り組みについては、公式ウェブサイトをぜひご覧ください。臓器移植普及推進月間にグリーンリボン推進協会以外の団体が実施したイベントなども紹介しています。

<インフォメーション>
NPO法人グリーンリボン推進協会