「思い出のランドセルギフト」Facebookページより

使い終わったランドセル、どうしていますか? 小学校6年間の生活を共にした、思い出のつまったランドセル。多少傷がついていてもまだまだ使える丈夫なものを、処分してしまうのはもったいない!

国際協力NGOジョイセフ(公益財団法人)では、毎年2回、アフガニスタンへ役目を終えたランドセルの寄付を受け付けています。ジョイセフの活動理念、そしてどのようにしてランドセルを寄付することができるのかをご紹介します。

■ジョイセフとは?

ジェンダー格差、地域格差、経済格差、教育格差、医療格差──世界の途上国には、さまざまな格差によって、女性であるがゆえに命や健康が危険にさらされている現状があります。1968年に日本で設立された国際協力NGOジョイセフは、アジアやアフリカで、途上国の政府や地域のNGOと連携し、女性を取りまく環境を改善する活動を行っています。

■女性の命と健康を守る

ジョイセフが活動を展開している国は世界32か国にものぼります。人材養成や教育支援などといったジョイセフの活動の基本になっているのが、SRH/R:セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツという考えです。

SRH/R:セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)とは、「性や子どもを産むことに関わるすべてにおいて、身体的・精神的・社会的に良好な状態であること(ヘルス)」「自分の意思が尊重され、自分の身体に関することを自分自身で決められる権利(ライツ)」を表現した言葉です。途上国の女性一人ひとりの、そして全ての人びとのSRH/Rが尊重される世界の実現を目指して、ジョイセフはさまざまな活動に取り組んでいます。

プロジェクト進行中の国(ジョイセフウェブサイトより)

■アフガニスタンの全ての女の子に、教育を受ける機会を

それらの活動の一つとして、ジョイセフがアフガニスタンで行なっている「思い出のランドセルギフト」は、教育の機会に恵まれないアフガニスタンの女の子の就学に役立てるプロジェクトです。アフガニスタンでは、貧困をはじめ、伝統的文化的な考えや学校施設の不備、また女子教育が禁止された時代背景などが原因で、15~24歳の女性の約70%以上が読み書きができないという状況がいまだに続いています。

教育を受けられない女の子たちの多くは12〜13歳で結婚・出産を経験し、文字を読めないため、保健や衛生の知識や情報を印刷物から得ることができず、ときには命にかかわるリスクにさらされる状況にあります。教育を普及させ、読み書きの能力を身につけることは、妊産婦と赤ちゃんの両方を、彼女たち自らで守る第一歩なのです。

■なぜランドセルが教育に役立つ?

ジョイセフはこれまで、青空教室(主に屋外で勉強すること)で使われるカーペットや黒板、チョークなどをアフガニスタンに寄贈する取り組みを行ってきましたが、こうした学習環境の整備やランドセルの寄付が、その第一歩を踏み出すきっかけづくりに役立っています。一体なぜ、ランドセルが教育の普及に役立つのでしょうか。

2004年から昨年7月までに、日本からアフガニスタンへ贈られたランドセルは約20万個。農村で目を引くカラフルなランドセルは、学校へ通う子どもたちの象徴となり、親たちも「子どもにランドセルを背負わせて勉強させてやりたい」という気持ちになっていったそうです。

「女の子も男の子と同じように学校へ通うのが当たり前」という考えを地域に浸透させてきたランドセル。さらに広く教育を普及していくためには、継続的な寄付が必要です。

NGOジョイセフ公式Twitter(@NGO_JOICFP)より

■ランドセルの贈り方

ジョイセフでは毎年春・秋の2回、ランドセルの募集を行っています。2019年春期の受付けは3月10日〜5月31日まで。使い終わったランドセルは、以下の手順でアフガニスタンまで届けることができます。

1.贈るランドセルの確認・準備
ランドセルの色や使用年数に制限はありませんが、ベルトや留め具などの破損が激しいものは贈ることができないため、あらかじめ状態を確認してください。また、宗教上の理由により、豚革製のランドセルは贈ることができません。

2.海外輸送経費の振込み
アフガニスタンまでの海外輸送経費として、ランドセル1個につき1800円をクレジットカード・コンビニ支払い・郵便振替のいずれかの方法で振込みます。

3.ランドセルを指定倉庫に送る
ランドセルを紙袋やビニール袋などに包み、横浜の指定倉庫に宅配便などで送ります。

詳しい寄付の仕方はこちらのページでご確認ください。

<インフォメーション>
国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)

<クレジット>
文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部