
ロールキャベツ(左) と ぬる燗(右)※漫画の登場人物とは関係ありません
ある日、ライフネット生命にカリスマ的人気バンドを多く抱えていた“ビーイング”レーベルの中でもひときわ伝説的なバンド「T-BOLAN」の漫画をつくるというミッションが降りてきた。その企画を進めることになった、平成生まれの二人のおはなし。
【お知らせ】 沙綾と健太郎の物語『ずっと君を』は、ライフネットジャーナルでも公開中 [PR企画:ライフネット生命 × ライブドアニュース] |
■巻き込まれた〈ロールキャベツ〉と〈ぬる燗〉
ときは1990年代。どんな田舎町にもCDショップがあり、子どもたちはお小遣いを握りしめて8㎝サイズのCDシングルを買いに行っていた。音楽の情報源はもっぱらテレビで、『スラムダンク』『ドラゴンボールGT』『名探偵コナン』といったアニメや、数々のトレンディドラマも、CDの売り上げランキングに影響を与えるほど。とにかくテレビをつければ「なんだか心揺さぶられるかっこいい曲」が聞こえてきて、今となってはちょっと照れくさいような歌詞を、意味も分からずにカラオケで歌っていた……。
そんな90年代のCDバブルをけん引していたアーティストたちは、実力もさることながら、存在もカリスマ的だった。『ミュージックステーション』でも寡黙を貫き、CDジャケットでも顔がはっきりわからなかったから、テレビで演奏する姿を見たときは神秘的だった。大人になって、そうしたミステリアスな雰囲気は、レーベルの考えた作戦のひとつだったと知ったが、不思議と嫌な気持ちはしなかったし、良い演出だったなとさえ感じた。なぜなら、彼らの音楽が圧倒的にすばらしかったから。
だからだろうか。90年代前半のいわゆる“ビーイングブーム”のさなかに青春を過ごした世代は、なぜだかみんな一度はバンドをやろうとしたし、英語っぽい歌詞が本気で本当の英語だと思っていたし、ハスキーな声にあこがれたりした。
一方、その企画を担当にすることになった平成生まれの社員〈ロールキャベツ〉と〈ぬる燗〉の二人はといえば。世代としては、CDよりMP3、「CDシングルってなんですか?」なので、T-BOLANやWANDS、ZARD等々のビーイングブームを知らない人たちである。
ロールキャベツ(以下、ロール)「最初、T-BOLANって聞いてもピンとこなかったんです。ただ、“漫画コンテンツやりたくない?”と聞かれて、やってみたいなと」
ぬる燗(以下、ぬる)「T-BOLANって、なんとなく名前は……くらい。曲を聴いたことがなくて。伝説のバンドと聞いても、特別な感情はわかなかったです」
なんて低体温で薄味な反応。でも、彼らにしてみれば当たり前だろう。リアルタイムでその音楽に触れていたかどうかは、思い入れの濃度に影響を与える。
ロール&ぬる「だから、“T-BOLANで漫画をつくるよ”と言われて、びっくりというか、思考が止まりました」
ここから、彼らの苦労の200日が始まったのである。
■T-BOLANを知っている先輩がいなくなった
ロール「この案件をひっぱってくれていたのは、40代の先輩たちだったので、僕たちは漫画化するところをサポートしたり、コラボ先さんとのやり取りをがんばればいいのかなと」
ぬる「漫画なので、バンドだから演奏シーンをかっこよくしなきゃ、とか。そんなことだけ考えていました」
しかし、夏の終わりころだろうか。スムーズに進んでいたかのように見えたこの案件に突然暗雲が立ち込める。
“○○さんと○○さん、会社辞めるってよ”―― そう、頼りにしていた先輩たちがいなくなってしまったのである。
ぬる「衝撃でした……」
ロール「えっ…… T-BOLANどうするの? って」
T-BOLAN世代の舵取りを失った船を託されたロールキャベツとぬる燗。そこから怒涛のT-BOLAN研究が始まった。
とにかく毎日毎日、T-BOLANを聴きまくった。通勤電車でも会社でも、ひたすらライブ映像を見まくり、周囲が心配するほどT-BOLAN漬けになった。
とある先輩「あのころは異常でしたね。ぬる燗さんに仕事のことで話しかけるためにデスクにいくと、PC画面に常にT-BOLANが映っているんですよ。これはもう本気だなと。彼女、基本的に物静かなのですが、気迫が違いましたね。会社のPCでライブ映像を見ていても、もちろん誰も咎めなかったですね。わかってましたから、この案件はいろいろやばいって」
でも、そこはT-BOLANの音楽の力なのだろう。徐々に二人は仕事の域を超えて、その世界に魅了されていった。
ロール「T-BOLANの歌詞はものすごくストレートで、ちょっと照れてしまうくらいなんですが、そんな自分をもったいなく感じるくらい、今の感情に正直でいることを教えてくれる歌ばかりなんです」
ぬる「ライブのお客さんとの距離感がすてきだなって。愛してるぜとか、言われたことないですけど、言われて感情が高ぶるファンの気持ちが本当にわかるようになりました」
■企画の危機
ぬる「漫画のストーリーについては、今回一緒に動いてくださったLINEさんのほうで本当にすばらしいアイデアをたくさんいただいたんです」
ロール「僕たちでは到底思いつかないような、やっぱりLINEってすごいんだなと思うような。でも、これはもう僕たちのスキル不足なんですけど、社内にその企画の良さを上手に伝えられなかった」
今回の取り組みは、ライブドアニュースで配信する漫画ということで、LINEさんと一緒にやらせていただいている。こういったストーリーがいいのではないかという脚本案をLINEさんからいただいて、ロールキャベツとぬる燗はそれについて、生命保険会社の観点で「ふむふむ、さすがですね、とてもよいと思います」とチェックして、社内の承認を得ればいいだけのはずだった。
しかし。
ぬる「私たちの判断が合っているのか自信がなかったんです。T-BOLANさんをダシにして生命保険を売ろうだなんて思いは微塵もなかったし、むしろそう思われたらおしまいだ……と。だから、この漫画で本当に表現したいことはなんだっけと悩みました。もちろん、それまでのストーリー案がそうだったというわけではないんですけど、やっぱり自分たちで考えたストーリーじゃないというのが、どこか引っかかっていたのかもしれないです」
ロール「そんな僕たちの迷いのせいか、上司に承認をもらうためにストーリー案をもっていっても、なかなか良さが伝わらなかったんです」
・この漫画コンテンツの目的はなんですか
・この漫画を通して何がしたいんでしたっけ
・そういえば、なぜT-BOLANなんですか
これらの質問がロールキャベツとぬる燗にグサグサと刺さる。
挙句、こんなことまで言われたのである。
上司「この企画、もうやめたら?」
■こだわりを丁寧に注入していく
ロール「“やめたら? このままだとT-BOLANのファンに失礼だよ”と言われたこともありました。そのときはもう、気持ちも弱っていて、そうかもしれない、って」
ぬる「私も、あ、これ終わりにするしかないのかもって……。でも、そんなときに、“くじけちゃいけない。T-BOLANだっていろいろあったけど復活して、あれだけの感動をファンに与えているじゃないか”と思う自分もいたんですよね」
ロールキャベツが再度煮込まれて、ぬる燗が熱燗になった瞬間だった。
そこからの追い込みは驚異的だった。
まず、漫画の脚本の練り直し。沙綾と健太郎という若いカップルを主人公にした。彼らに突然の危機が訪れるが、T-BOLANの歌が、曲が、詞が、そしてライブが、彼らを支えて幸せへと向かう、そんなストーリーに仕立てていった。我々は生命保険会社だけれども、この企画をとおして生命保険を売りたいわけじゃない。ふと何か困ったときに、沙綾と健太郎にとってのT-BOLANのように、人生の支えとなる存在として人様のお役に立つ会社でありたい。その思いを形にしたい、それだけだった。

ぬる燗が一晩で書き上げたストーリーのラフ案の一部
ぬる「なにかが吹っ切れました。やる気がみなぎってきて、とにかく夢中でラフ案をつくったのを覚えています」
ぬる燗の思いほとばしるラフ案は、それだけで泣けた。
ロール「ぬる燗のラフ案は湯気が立つほどの熱量でした。ラフ案でマンガのイメージが具体的になりました。毎朝、ぬる燗とコマ一つひとつの表現をどうするかを熱く語り合い、次々とアイデアが出てきたので、これなら大丈夫、イケると確信しました」
一番こだわったのは、歌詞とストーリーのリンクだ。沙綾と健太郎の二人の物語に合う曲として、自然と浮かんできたのはT-BOLANの『Lovin’You』。歌詞の世界観と漫画のストーリーが、T-BOLANが染みついていたロールキャベツとぬる燗の中で重なり合ったのだ。漫画のタイトルが、約21年ぶりにレコーディングされた『Lovin’You』のアンサーソングでもある『ずっと君を』になったことも奇跡的だった。
ぬる「わたしたちのラフ案をプロの漫画家さんが書いてくれるということで、とにかく注文が多くなってしまいました。沙綾ってこんな服着るかな、こんな風に泣くのかな、健太郎って本当にこういうセリフ言うのかな、ギターの角度ってこうかな、マイクスタンドってここでいるかな……、数え上げればキリがないですが、とにかく、気になるところは徹底的に納得できる形にしたかった」
ロール「ぬる燗から、毎日のように、こういう感じでっていうイメージ画像が送られてくるんですよ。僕は、絵にしたりするところのセンスはないので、改めてすごいなあって、感心しまくりでした」

ぬる「森友さんって、歌ってるときの癖まで格好いいんです。個人的には、高音を当てるときの左手が最高ですね。軽く開いた指、すっごくセクシーだと思うんです」

ロール「もし自分が健太郎だったら、このシーンでは、どんな気持ちで、どんな表情で、どんな言葉を口にするか、ということをとにかく考えました。中でも、2人が苦難を乗り越えた後に見せる、この表情はとても好きです。さらに、2人の服に描かれているロゴにもご注目。この他のコマにもこっそり潜んでいるかもしれません」
■いよいよ……「イクゼ!!!」
そして、年が明け、2019年2月21日。沙綾と健太郎のストーリーが配信された。
ロール「T-BOLANさんがライブで“イクゼ!”と叫ぶ、あのときの興奮を静かに感じています。やっとだなって、肩の荷がおりたというか、やりきった……という安堵感でいっぱいです。今すぐにでもT-BOLANさん縛りのカラオケに行きたいです」
ぬる「とにかくT-BOLANさんに感謝です。そして、この企画のめぐり合わせにも感謝です。気分を上げるために、ずっとT-BOLANの曲ばかりを聴いていたので、これからも曲を聴くたびに、やる気が出てくるんだろうなと思います」
ロール&ぬる「わたしたちが提供している生命保険は、開業時から、子育て世代や若い人たちに向けたもの。『今』を大切に生きてもらうために、使ってほしい保険です。保険料が高すぎて、生活が苦しくなっては意味がないし、自分の好きなことや好きな人のための時間をつくるためのサポートができるようにしたい。そんな気持ちを、僕たちと同じような『草食系』の健太郎と、T-BOLANを崇める沙綾の二人に乗せて、お届けしたいなと思ったんです。ぜひ読んでください」
二人の苦労と思いがつまった、沙綾と健太郎の物語『ずっと君を』は、ライブドアニュースで絶賛配信中!!
作品:漫画『ずっと君を』T-BOLAN×ライフネット生命
[PR企画:ライフネット生命 × ライブドアニュース]
T-BOLAN「ずっと君を」MV
T-BOLANは2019年2月現在、全国ツアー中
詳細はこちら

ロールキャベツ と ぬる燗
会社を代表する「草食系」社員。奥さんから「死亡保険金で私の銅像建てて」と言われている〈ロールキャベツ〉と、おとなしすぎて社会人1年目に“幽霊”と呼ばれていた〈ぬる燗〉の即席デュオ。仕事はきっちり、最後まで投げ出さずにコツコツ取り組む安定感のある二人は、とろ火でコトコトあたためる“煮物”になぞらえられ、上司・同僚からの信頼も厚い。