社会保険労務士(社労士)でもあるファイナンシャル・プランナーの中村薫先生が教えてくれる「だれも教えてくれなかった社会保障」シリーズ第2弾です。今回は、“どこにしまったのかわからなくなるものランキング”があるとしたら、必ず上位にくるであろう年金手帳について。みなさん、ご自身の年金手帳、どこにあるかパッと思い出せますか?

どうしよう、なくしたかも!? と思っても大丈夫。ひとまず、中村先生のアドバイスを読んで落ち着きましょう。

【今回のポイント】
・手帳がなくても解決するかも!
・番号がわかればOKなら手段は3つ
・最短で再発行するなら年金事務所

■手帳がなくても解決する場合

就職にまつわる手続きはいろいろありますが、「年金手帳を持ってきて」と言われることがあります。通常、会社員は健康保険や厚生年金保険に入りますから、会社が加入手続きをするのに「基礎年金番号」というものが必要になるからです。

ただ、探してもどうしても手帳が見当たらないこともあるでしょう。そんなときは、入社予定の会社にちょっと確認してください。実はあんがい「手帳」そのものがなくても解決できるんです。

会社への確認事項は以下の2つ。

(1) 基礎年金番号がわかればOK
(2) 代わりにマイナンバーでもOK

この2つのどちらかでOKなら「手帳」が無くても解決できます。

■「基礎年金番号がわかればOK」なら手段は3つ

[方法1]マイナンバー
雇用保険などに加入するのにマイナンバーが必要ですし、会社の担当者から「健康保険や厚生年金保険もマイナンバーでOKです」と言われたら、マイナンバーカードや通知カードを持参すれば解決です。マイナンバーは大事な番号ですから、扱いは注意してくださいね。

次に「基礎年金番号がわかれば手帳がなくても良いですよ」と言われた場合は以下のどちらかで調べられます。

[方法2]ねんきんネット
「ねんきんネット」にアクセスしたことがある人は、「ねんきんネット」から自分の基礎年金番号を確認しましょう。必要に応じてメモをしたり、提出書類に記入をしたりして会社に提出してください。サイトの一部を印刷するなどして、担当者に「これです」と見せたほうが良かもしれないので、印刷が必要か聞いておくと良いでしょう。
スマホでアクセスするなら、担当者の前でアクセスして、基礎年金番号が乗っている画面をそのまま見せるのも一つですね。

[方法3]年金事務所などに行く
少し手間ですが、住所地の役所の国民年金課や年金事務所などに直接出向いて番号を調べて教えてもらう方法もあります。
免許証などの本人確認ができるものを持参すると調べてもらえますし、番号がわかる印刷物ももらえます(手帳ではなく、言ってみればただの紙なんですけどね)。

ただし、基本的には平日しか開いていないので、もし家族などに代わりに行ってもらう場合は「委任状」を書いて、代理の人に持参してもらう必要があるので忘れずに。
委任状は、日本年金機構のサイトからPDFファイルをダウンロードして印刷することで入手できます。

ねんきん定期便があれば合わせて持参すると、少しの時間短縮になります。また、希望すればねんきん定期便の見方の説明も聞けて、ちょっとカシコクなれるかもしれませんよ。

なお、今はねんきん定期便には基礎年金番号が書かれていないので、ねんきん定期便に書かれている照会番号を基礎年金番号と勘違いしないように気をつけてください。(平成28年度までの「ねんきん定期便」(平成28年4月から平成29年3月送付分)には基礎年金番号が記載されています)

■最短で再交付するなら年金事務所

こうしてみると、今は年金手帳がなくても用が済むケースが多いのですが、それでもやはり手帳を手元に持っておきたい人は再交付という手段があります。

年金事務所で再交付申請をするか、郵送で申請すると、通常、申請から2週間程度で自宅に郵送されて来ます。夫の扶養に入っている妻など(第三号被保険者)は、年金事務所ではなく夫の会社の方から再交付申請する必要があります。

また、どーーーしても手帳が必要で、しかも今日や明日などスグに欲しい場合、最短で再交付してもらえる可能性があるのは年金事務所に直接出向くことです。しかし、基本は郵送ですから、事情を丁寧に説明して「どうにかこの場でもらえないか?」と聞いてみてくださいね。

書類の提出先などは日本年金機構のサイトや年金事務所等へ連絡し、確認してから出向くことをおすすめします。

※役所の担当課・係などは各自治体で名称が異なる場合がありますので事前に確認してください。
日本年金機構ホームページ(ここから「ねんきんネット」にもアクセスできます)

<クレジット>
文/中村薫

<プロフィール>
(なかむら・かおる)1990年より都内の信用金庫に勤務。退職後数ヶ月間米国に留学し、航空機操縦士(パイロット)ライセンスを取得。訓練中に腰を痛め米国で病院へ行き、帰国後日本の保険会社から保険金を受け取る。この経験から保険の有用性を感じ1993年に大手生命保険会社の営業職員となり、1995年より損害保険の代理店業務を開始。1996年にAFP、翌年にCFP®を取得し、1997年にFPとして独立開業。2015年に社会保険労務士業務開始。キャリア・コンサルタント、終活カウンセラー、宅地建物取引士の有資格者でもある。
●なごみFP・社労士事務所