ハチミツに咳を抑える効果があるかどうかは、医学研究でも検討されています。子どもの咳に対する効果について、これまでの研究報告の調査が行われました。

(注)1歳未満の乳幼児がハチミツを食べると乳児ボツリヌス症にかかるリスクがあるため、与えないようにしてください。(*厚生労働省の重要なお知らせ「ハチミツを食べるのは1歳を過ぎてから」

当記事はMEDLEYニュース(2018年5月23日配信)より許可を得て転載しています

■子どもの急性咳嗽(きゅうせいがいそう)に対するハチミツの効果

ナイジェリアの研究班が、子どもの咳に対するハチミツの効果について、これまでの研究から示されているデータをまとめ、『Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告しました。

この調査は過去の研究のデータを収集して吟味し統合したものです。調査対象として、1歳から18歳までの子どもの急性咳嗽(始まって間もない咳)に対し、ハチミツと無治療の比較などにより効果を調べた研究を選びました。

一般に、ハチミツは1歳未満の子どもに与えると乳児ボツリヌス症を起こす恐れがあるため、1歳未満の子どもに与えてはいけないとされます。この調査でも1歳未満の子どもについてのデータは対象から除いています。また、この調査は風邪のような急性の咳について調べていますが、咳喘息のように長引く咳は対象としていません。

同様の調査が2014年にも行われていましたが、より新しいデータを含めるよう更新されました。

■6年の研究の成果

採用基準を満たす6件の研究データが見つかりました。2014年の調査から新しく3件の研究が加わりました。

データを統合した結果、ハチミツは偽薬と比べて咳の頻度を減らす効果があると見られ、1点から7点までの評価で偽薬と1.62点の差がありました。ただし、3日を超えてハチミツを使用した場合、咳の重症度などは偽薬と比べても差がないと見られました。咳止めの薬として使われているデキストロメトルファンと比較した研究からは、はっきりした差は示されていませんでした。

ハチミツを使用した子どもに、副作用やその他の原因で現れた出来事として、神経過敏、不眠、多動、胃腸症状などがありました。

■子どもの咳にハチミツは効くか?

子どもの急性の咳に対するハチミツの効果についての調査を紹介しました。ハチミツが咳の頻度をいくらか減らすというデータが見つかっていました。ハチミツが咳止めの薬の代わりになるかどうかは不明ですが、急に咳が始まり、すぐには咳止めの薬が手に入らないといった状況などで、役に立つこともあるかもしれません。

ただし、この調査から除かれている1歳未満の乳児にはハチミツを与えないよう注意が必要です。また、ハチミツに効果があるとしてもあくまで症状を楽にすることにとどまります。咳の原因となった病気に対しては、自然治癒*(病気が、それ以上の治療を必要としない状態になること。完治とほぼ同じ意味)が期待できる場合を除けば、医療機関で診察を受け治療する必要があります。

身近なものを使った民間療法には根拠不明のものもよくありますが、ここで紹介したように研究データが出ているものもあります。実際に試したデータを見れば、民間療法がどの程度信頼できるのかについても参考になります。

<クレジット>
文/MEDLEY編集部