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2019年10月、10%に引き上げられた消費税。2020年の6月まではキャッシュレス決済での支払いによって、ポイントでの還元などもありますが、2%の増税が、実際に家計に与えた影響はどのくらいなのでしょうか。ライフネット生命保険が行った消費税増税による家計の見直し・節約に関する調査から、その実態を探ってみました。

*ライフネット生命保険が増税後の10月16〜17日の2日間、全国の20〜59歳の男女を対象に、消費税増税による家計の見直し・節約に関する調査をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効回答を集計

■負担増加はどの程度感じている? 毎月いくら節約したい?

調査でははじめに全回答者に対し、8%から10%への増税によって、月々どのくらい負担が増えると思うか聞きました。「5,000円」(23.6%)や「10,000円」(16.3%)に回答が集まり、平均額は5,655円となりました。

特に、お子さまのいる人(430名)については、月々の負担増の平均額が6,829円と、全体に比べて1,174円高い結果となっています。

そうした家計の負担増に対し、消費税増税後「月々どのくらい節約をしたいと思うか」を聞いたところ、全体の平均額は6,766円、お子さまのいる人の平均額は8,193円と、こちらもお子さまのいる人の方が1,427円高くなりました。負担が多くなることを見越して、節約目標も高めに設定している人が多いようです。

■どうやって家計を節約する?

増税による5,000円以上の負担の増加を想定して、消費者のみなさんは具体的にどのようにお金をやりくりしているのでしょうか? お昼にお弁当を持参する、おやつをやめてダイエットと一石二鳥、リサイクルショップやフリマアプリを活用……。生活の端々で、できることはいろいろと考えられますよね。まずは全回答者に消費税増税後に行ったことを挙げてもらいました。

最も多かったのは、「キャッシュレス決済での買い物」(26.5%)、次いで多かったのは「家計の見直し・節約」(19.7%)でした。
2019年は「キャッシュレス/ポイント還元」や「〇〇ペイ」などが話題となりましたが、今回の調査からも、キャッシュレスやポイント還元キャンペーンへの消費者の関心の高さが伺えます。増税をきっかけにカードやアプリの申し込みをするなど、実際にキャッシュレス決済を使い始めたという人も多いようです。

■節約するのは、何費?

消費税増税後の家計の見直し・節約を行った人(197名)の中で、具体的に見直し・節約した費目について聞いたところ、「食費」(49.2%)が最も多く、ついで「外食・飲み会費」(47.7%)、「衣類・雑貨費」(36.5%)、「娯楽費」(31.0%)、「水道光熱費」(20.3%)となりました。これらの費目を、日常生活のなかで切り詰める“ガマン型節約”とすると、一度見直せば節約効果が高いとされる通信費や保険、住居費などの固定費などを節約するのは“スッキリ型節約”。意外にも、スッキリ系を見直す人は、一番多い通信費でも16%台でした。コツコツと日常生活の出費を抑えようとしている方が多いことがわかります。

これから新たに家計の見直し・節約を行いたい人(289名)に、具体的に何を見直し・節約したいかについて聞いたところ、やはりこちらも食費や外食、衣類などの支出を抑える“ガマン型節約”が上位を占めました。“スッキリ型節約”では、30%近くの人が「通信費(パソコン・携帯電話)」(29.1%)を挙げています。

■一番見直ししやすいのは……

今度は全回答者(1,000名)に、今後、家計の見直し・節約として行いたいものを聞いたところ、「格安スマホへの乗り換え」(11.1%)が最も高く、次いで「ふるさと納税の利用」(10.5%)、「電力会社の乗り換え」(7.7%)、「保険の乗り換え」(7.5%)、「フリマアプリの利用」(7.0%)となりました。特にお子さまのいる人といない人とで差があったのは、「ふるさと納税の利用」「保険の乗り換え」「住宅ローンの借り換え」です。

■「ちょっと切ない」と感じる節約も……がんばりすぎないで!

消費税増税を受けて消費者の多くは、節約・家計の見直しに日々奮闘しているようですが、切なさを感じてしまうことはあるのでしょうか。全回答者(1,000名)に、実践していて切なくなった節約術を自由回答形式で聞いたところ、「お腹が膨れない節約術がダントツで切ない!」という結果に……。

昼食を抜いたり、野菜だけ食べたりと、身体が心配になるような食費の節約に取り組んでいる人が目立ちました。もやしやカップ麺ばかり食べているなんていう人も。くれぐれも、やりすぎないように気を付けてくださいね。

日々の生活のあらゆる場面で払っている消費税。調査からはキャッシュレス決済やポイント還元キャンペーン、格安スマホなどへの高い関心、“ガマン型節約”の取り組みなど、みなさんそれぞれさまざまな節約を考えたり、実行したりしているようです。

これを機会に、自分のお金の使い方について、改めて見直してみてはいかがでしょうか。

<クレジット>
文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部