(画像はイメージです)

エシカル消費という言葉を耳にしたことはありませんか?
「エシカル」とは日本語で「倫理的」という意味。では、「倫理的な消費」とはいったい何を表しているのでしょう。

■「エシカル消費」ってどういう意味?

「倫理的な消費」の「倫理」とは、「人間が本来持っている良心に沿った社会的な規範」のことを意味します。「社会的な規範」というと難しく感じますが、私たちの心の中には「環境への負荷は少ない方がいい」「差別や格差はないほうがいい」「地域に貢献したい」といった、「できたら社会にプラスになる行動をしたい」という素直な気持ちがありますよね。

買い物をするときに「これを買うことで社会にプラスの影響があるか」という物差しで商品を選んでみる。それがエシカル消費です。

エシカル消費は、SDGs(持続可能な開発目標)という、持続可能でよりよい世界を目指して、各国が協力し合って達成する国際目標に基づいた考え方です。私たちが日々の生活の中でできる、小さいけれど貴重な一歩について、考えてみましょう。
参考:「2030 SDGs」から、世界は一つに繋がっていることを体感する

■楽しみながらエシカルな消費をしよう

エシカル消費について、消費者庁では具体例として以下のものを挙げています。

  • エコ商品を選ぶ
  • 認証ラベル のある商品(環境や資源を守ってつくられた商品)を選ぶ
  • 寄付つき商品を選ぶ
  • フェアトレード商品(開発途上国の製品などを継続的に、公正に取引しているもの)を選ぶ
  • 障がいがある人の支援につながる商品を選ぶ
  • 地元の産品を買う
  • 被災地の産品を買う

(出典:消費者庁ウェブサイトを加工して作成)

商品を選ぶとき、より「誰かの力になれる」 選択肢を考える。そのちょっとした工夫が、エシカルな消費につながるのです。

最近はふるさと納税や、その土地の農作物や水産品などを買うことで被災地を支援するウェブサイトなど、選択肢が広がっています。また、都心部にはさまざまな地域の「アンテナショップ」があり、全国各地の特産品を選ぶことができます。

国内に限らず、開発途上国の生活を応援することもできます。例えば、チョコレート。売上の一部が、 生産地で暮らす人たちの支援に使われるものもあります。カカオの生産地であるガーナやカメルーンなどの子どもたちが、安心して教育を受けられる活動に充てられるのです。

毎日食べているものであっても、違う地域のものを探したり、つくった人たちの暮らしに思いを馳せてみたりすると、楽しみや発見が増えるかもしれません。足を運ぶことが難しい地域の経済の応援もできます。そうして選んだ商品を買って味わうことは、おいしくて楽しいエシカル消費ではないでしょうか。

■買い物をするときに少しだけ立ち止まって

この他にも、外食先の食事が食べきれなさそうな量のときには、あらかじめお店の方に「少なめで」と告げておくのも、一つの工夫です。最近は野菜や果物を買うとき、少量から選べるスーパーも増えています。買いだめした食品を腐らせてしまった経験がある人は、まずは適量を買うことから始めても良いかもしれません。

また、近所の飲食店や小売店を利用して、お店まで徒歩や自転車で移動すれば、環境にもやさしいですよね。そうした日常的な行動も、エシカル消費につながることです。

このように、すぐに始められることは、実はたくさんあります。自分ができることはほんのわずかに感じるかもしれません。でも、その「わずか」が積もり積もれば、大きな力になります。堅苦しく考えず、楽しみながら、買い物をするときには少しだけ立ち止まって、エシカル消費を心がけてみませんか。

<クレジット>
文/三田村蕗子