(画像はイメージです)

国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん登録)によると、女性が罹患するがんの中で「子宮頸がん」は、5番目に罹患数の多いがんです。若年層の罹患も多く、国では20歳以上の女性には子宮頸がん検診の受診を推奨しています。進行度合いによっては、がんの治療で子宮を失う可能性もあるため、妊娠を希望する人にとっては特に気を付けたい病気の一つでもあります。婦人科の診察やがん検診で早期発見・治療開始できれば、予後も良いとされているため、自覚症状がなくても検診を定期的に受診することが大切です。

この子宮頸がんについて、当事者である女性はどう考えているのでしょうか。ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社が行った子宮頸がん意識調査から、その現状を探っていきます。

子宮頸がんとは? 概要と原因

最初に、子宮頸がんとはどういった病気なのか、その概要を見ていきましょう。

子宮頸がんとは、子宮がんの一つ。子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんの2種類があり、子宮の入り口付近に生じるものを子宮頸がんと呼びます。

子宮頸がんの主な原因として、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染があります。性交渉での感染がほとんどで、感染した場合も自然にウイルスが排除されることも多いようですが、一部の人は感染が継続、それが数年続いていくことで子宮頸がんの発症につながるとされています。

早期段階では自覚症状のない場合も多く、がんが進行していくに従って不正出血や下腹部の痛みなどの症状が現れてくると考えられています。子宮頸がんは早期発見と治療開始ができれば治癒も期待でき子宮を温存できる可能性も高まるので、定期的な検診の受診が重要になります。

まだまだ低い子宮頸がん検診受診率

しかし、子宮頸がんに関する知識や検診の受診率については、まだまだ十分とは言えないのが現状のようです。

2020年4月に公表されたロシュ・ダイアグノスティックス株式会社実施の「子宮頸がん意識調査」によると、女性たちの多くは、子宮頸がん検診の必要性を感じているという結果が出ています。

子宮頸がん検診を受診する必要があると回答している人は86%となっており、その中でも「定期的に受診する必要があると思う」と答えている人は63%と大きい割合になっています。

回答者の年代を見ると、特に年齢が上がるにつれて「定期的に受診する必要がある」と回答している人の割合が多くなっているようです。

一方で、実際に検診を受診したことのある人は、全体の53%と半数程度にとどまっています。特に20代の回答者は、約7割が検診を受診したことがなかったとされています。調査によると、受診したことのない人は「受診にお金がかかるから」「検査が恥ずかしいから」といった理由を挙げる人が多かったようです。


また、HPVの存在やがん予防、検診費用についてなど、子宮頸がんに関する知識を持っている人は、全回答者の30%~50%程度となっています。

子宮頸がんは、20代後半から罹患者が増加する傾向にあります。しかし、今回の調査結果を見ると、子宮頸がんへの危機意識はある程度あるものの、病気や検診についての知識はあまりない、というのが現状のようです。

ここまでは、調査結果から子宮頸がんに関する女性たちの現状を探ってきました。次に、子宮頸がん検診とは実際どういったものなのか、見ていきましょう。

20歳以上から受診可能な子宮頸がん検診

がん検診には対策型検診と任意型検診の2種類があります。

対策型検診は、健康増進法に基づき市区町村が受け付けている検診です。「区から検診の案内と検診チケットが来たので、対象の医療機関で受診した」といった例が該当します。現在は科学的根拠に基づき、死亡率の低下などの効果が確認されている、胃がん・子宮頸がん・肺がん・乳がん・大腸がんの5種類の検査を国は推進しています。各検診には対象となる年齢と受診間隔が定められており、子宮頸がん検診の場合、20歳以上の女性が2年に一度受診するように推奨されています。対策型検診には公的補助制度が用意されているので、検診の費用は無料か少額で済みます。

任意型検診は、検診を希望する個人を対象に各医療機関が行っている検診です。「人間ドッグでがん検診を受診した」「結婚が決まったので医療機関のブライダルチェックを受けた」などの例が該当します。対策型検診と違い、検診の対象となっているがんの種類に制限はなく、医療機関によって検査ができるがんの種類や検査内容、費用についても違いがあります。検診の費用は基本的に全額自己負担ですが、加入している健康保険組合や会社の福利厚生で補助が用意されている場合もあるようです。

受診を希望しているけれど、費用を支払う余裕がない、という人はまず居住している地域で行っている対策型検診の受診を検討してみると良いかもしれません。会社勤めをされている方は、健康診断にがん検診のオプションを付けられるか、受診費用の補助はあるか、会社の担当部署に確認してみましょう。

また、検診を実施する医療機関には、検査を女性医師・技師が担当する施設もあります。検診に恥ずかしさを感じる場合は、女性医師・技師のいる医療機関を選ぶのも方法のひとつです。対策型検診を実施する医療機関の女性医師・技師の有無については、各自治体のサイト内に用意されている医療機関一覧で確認することもできます。

ただし、検診を受けるときにはメリットとデメリットがあることも、しっかりと知っておきましょう。メリットとしては、先にも書いたようにがんの早期発見・早期治療が行えること、それに伴いがんの死亡率が減少することにあります。反対にデメリットとしては、がんなのに正しく診断されない、あるいはがんではないのに診断される、生命を脅かさない病変も発見される、といった可能性があることです。
また、検査結果が出るまでの精神的な負担もデメリットとしてあげられます。こうしたデメリットよりも、メリットの方が総合的に大きいと判断できる場合に、がん検診の受診が必要になるとされています。

がんの検診で早期発見を、もしもの費用には保険で備えを

子宮頸がんは定期的な検診受診で早期発見ができれば、早期に治療を開始することができます。自分では異変に気付きにくい部位ですので、2年に1度、検診を受けておけると安心です。

なお、国立がん研究センターでは不正出血などの自覚症状がある場合には、検診ではなく、すぐに医療機関を受診するように推奨しています。子宮頸がん検診の受診を推奨されている20歳を超えたら、定期的な検診の受診に加えて、日頃から自分の身体の不調を見落とさないように気を付けたいですね。

がんの治療が必要になった場合、治療費用が大きな負担となる場合もあります。病気になってから焦らないよう、病気やケガでの入院・手術に備える医療保険や、女性特有の疾病に手厚い保障のある女性保険、がんの治療に特化した保障を準備できるがん保険などを早めに検討しておくこともおすすめします。がんと診断されたり、他の病気が見つかったりすると、希望する保険に入れなくなる可能性があります。また、加入できたとしても、保険料が割増されたり、保障に条件が付いたりすることもあります。

なかなか時間が取れないという方は、ネットで検討できるタイプから探してみるのも良いでしょう。ライフネット生命の終身医療保険「じぶんへの保険3」、「じぶんへの保険3レディース」やがん保険「ダブルエール」は、無料でネットから見積りができ、そのまま申込もできます。もしものことがあってから慌てることのないよう、保険の検討は健康なうちに行ってくださいね。

ライフネット生命の無料見積りはこちら

<クレジット>
文/年永亜美(ライフネットジャーナル編集部)