つわりって赤ちゃんにも影響するの?どんなときに病院を受診すればいいんだろう?
産婦人科医の立場から、このような不安や疑問についてわかりやすくまとめました。

※この記事は小児科オンラインジャーナル(2018年12月25日配信)より許可を得て転載しています。
※本ページの記事は、妊娠・出産・子育てに関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

■つわりのピークは妊娠7~12週目ごろ

つわりは、早い方だと妊娠5~6週目ごろ(生理予定日1~2週間後あたり)から始まり、症状のピークは妊娠7~12週目ごろ、その後は次第に軽くなっていくことが多いです。大半の方は、妊娠16週頃までに症状はほとんどなくなってくると考えられています。
しかし、人によっては出産の直前まで継続することもあり、妊娠後期になれば必ずつわりがおさまるということでもないようです。
なお、それまでつわりがなかったのに妊娠9週目以降になって初めてつわりが発生した場合や、発熱・頭痛・しびれや麻痺など神経症状を伴うつわりがある場合は、単なるつわりではなく他の病気が隠れている可能性があります。重症のサインを見逃さないようにしてください。

■つわりによる赤ちゃんへの悪影響はほとんどありません

つわり中は栄養が取れず、赤ちゃんが育たなかったり、流産率が上がってしまったりするんじゃないか、という不安の声を多く聞きます。しかし、医学的にはつわりの段階でそのような赤ちゃんへの影響が起きるとはほぼ考えられていません。なので、後に書かれているポイントを踏まえ、おおらかな気持ちで過ごすことがお母さん自身にとっても、赤ちゃんにとっても大切です。
ただし、つわりが重症化した妊娠悪阻(にんしんおそ)の状態では話が変わってきますので注意が必要です。

■つわりと妊娠悪阻(にんしんおそ)の違い

つわりのなかでも症状が重く、重症化したつわりのことを妊娠悪阻と呼びます。例えば、毎日嘔吐があり体内の電解質が減少する、食事や水分がほとんど摂れず体重が元の数値から5%以上減少する、尿検査でケトン体が陽性反応を示す、などが診断基準です。妊娠悪阻は、妊婦さんのうち1-2%程度に起きると言われています。
このような状態では、お母さん自身はもちろんのこと、お腹の赤ちゃんにも脱水等の悪影響が出てしまう恐れがありますので、我慢せずに受診をしてくださいね。

つわりは多くの方にとって精神的にも身体的にも負担となりますが、赤ちゃんはたくましく育っている時期でもあります。適切な知識を持ち、パートナーとも協力しながら上手に対処していきましょう。

文/産婦人科医 重見大介