お子さんが夜間や休日に腹痛を訴えたとき、急いで救急医療機関を受診したほうが良いのか、翌日にかかりつけの小児科を受診すれば良いのか、次の点を参考にしてみてください。

※この記事は小児科オンラインジャーナル(2020年1月27日配信)より許可を得て転載しています。
※本ページの記事は、妊娠・出産・子育てに関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

■嘔吐や下痢のない腹痛は重病が隠れている可能性があり注意が必要です

腹痛以外に発熱や嘔吐、下痢があれば感染性胃腸炎の可能性が高いです。これが最も多い病気です。周囲に同じような症状の人がいるかどうかも参考となる大事な情報です。

逆に、嘔吐や下痢がない場合、感染性胃腸炎ではない可能性があり、重病が隠れている可能性があります。安易に感染性胃腸炎だろうと判断して自宅で様子を見続けることは危険ですので、小児科で診察を受けましょう。

■持続性の腹痛、黄・緑・赤・黒色の嘔吐物、赤・黒・白色便なら早く受診を

痛みが良くなったり悪くなったりといった波のある状態ではなく、持続的に痛む腹痛である場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

また、腹痛に嘔吐を伴っている場合には、その嘔吐物の色がとても大事な情報です。嘔吐物の色が黄色~緑色(胆汁色)である場合、また赤色~黒色(血性色)である場合、何らかの重病が隠れている可能性があり、なるべく早く医療機関を受診しましょう。便の色が赤色~黒色、白色である場合も同様です。

嘔吐物の内容が食べたものの残りカス等である場合や、便の色が黄、茶、緑色である場合は、上記の状態に比べて緊急性は高くありません。しかし、嘔吐や下痢の回数が多い場合や、お子さんがぐったりしてくる場合などは、早めに受診すると良いでしょう。

■1歳未満、10歳前後のお子さんは胃腸炎以外の病気が隠れている可能性があり要注意

1歳未満のお子さんは、もちろん腹痛をしっかりと訴えることはできません。ご家族の“何かいつもと様子が違う”という感覚がとても大事になります。

  • 哺乳量が少ない
  • なんとなく顔色が悪い
  • いつもと違う泣き方を繰り返す

などが重要なサインです。嘔吐や便の状態の悪化がなくとも急激に具合が悪くなることがあるため、あきらかに様子がいつもと違うときは、翌朝まで待たずに救急医療機関を受診してください。

また、10歳前後のお子さんが腹痛を訴えている時は、急性虫垂炎の可能性がないかが大事なポイントになります。

  • 微熱が続いていないか
  • 歩くときに痛みから前かがみになっていないか
  • お腹の右下を痛がらないか

などに注意して観察してください。急性虫垂炎を疑ったら早く受診しなければなりません。

その他、生理の始まったお子さんは、婦人科疾患の可能性も考える必要があります。

お子さんが腹痛を訴えている場合、年齢によって考えるべき病気に違いがあります。腹痛以外の症状もしっかりと観察しましょう。場合によっては嘔吐物や便などの写真を撮って医師に見せることも役立ちます。

文/小児科医 塩畑健